山脇刃物製作所

【堺打刃物】

山脇刃物製作所は、昭和2年の創業以来、伝統を大切にしながら新たな技術を積極的に取り入れ、高い技術力と美しさを兼ね備えた包丁を製造・販売しています。家庭用から本職用の高級包丁まで幅広いニーズに応える製品は、その品質の高さから国内外で高く評価されています。特に、ブランド「郷右馬允義弘(ごううまのすけよしひろ)」は、鎌倉時代の日本三大刀鍛冶の一人に由来し、600年にわたる堺刃物の伝統技術を受け継ぐ逸品として、海外でも多くの支持を集めています。

また、山脇刃物製作所は他の伝統工芸の職人たちと協力し、他社にはない独自の製品開発にも積極的に取り組んでいます。堺の包丁は「Made in JAPAN」の象徴として、日本が誇る伝統産業のひとつです。その一翼を担う山脇刃物製作所は、伝統技術を守りながらも革新を追求し、未来を切り拓く技術集団として挑戦を続けています。この取り組みが評価され、堺商工会議所より堺市内の優秀企業に贈られる「堺技衆」に認定されました。この名誉ある認定は、同社の技術力と品質の高さを証明しています。

Buyer’s Voice　代表・松澤斉之より

初めて堺打刃物に出会ったのは展示会で、分業体制や世界中から絶え間なく注文が来るという話に驚きました。その後、現地訪問を決意し、工房を見学しました。

堺打刃物は「鍛造」「研ぎ」「柄付け」の分業体制ですが、特に「研ぎ」や「柄付け」を自社で一貫して行っている点が際立っています。この仕上げは単なる研ぎ直しではなく、極めて高い精度で仕上げられる技術力を証明しています。工房では若手とベテランの職人が協力して作業しており、その熱意が強く伝わってきました。

堺の技術は長年培われてきた歴史と高い品質に支えられており、世界中の一流の店や個人からの注文が絶えません。私たちはその特徴や製造過程を深く理解し、堺打刃物の価値を広く伝える責任を感じています。最初に堺の刃物に織田信長が関わったのかと尋ねたところ、種子島の鉄砲製造技術が大きな影響を与えたと聞き、地域の歴史の奥深さに魅了されました。

現在、堺打刃物の技術は世界中のプロフェッショナルに求められています。その卓越した技術と品質を、ぜひ多くの方々に体験していただき、日々の暮らしに役立てていただければと思います。

【バリエーション】