丸亀うちわ
香川県
一本の竹から生まれる日本伝統の涼

「丸亀うちわ」は、1997年に国の伝統的工芸品に指定された、香川県丸亀市を代表する工芸品です。その起源は江戸時代初期にさかのぼり、慶長年間、旅僧が九州で学んだうちわの製法を丸亀に伝えたとされています。寛永10年(1633年)には、金刀比羅宮への参拝土産として「渋うちわ」が考案され、以後、藩士の内職として奨励されたことで、丸亀はうちわの一大産地へと発展していきました。
丸亀うちわの最大の特徴は、柄と骨を一本の竹から切り出して作る点にあります。使用されるのは3〜5年ものの真竹で、職人が一本一本の個性を見極めて選びます。竹取りは10メートルを超える大竹を数人で協力して行い、1本から約100〜200本のうちわが作られます。

製造には40以上もの工程があり、すべてを一人の職人が仕上げるため、品質の高さが保証されます。和紙部分には、日本の伝統技術である手漉き和紙が使われており、厚さに応じて糊の濃度を調整するなど、細部にまで技が込められています。うちわ協同組合連合会が認めた純国産のものには、特別な証が付与されています。
その美しさと機能性から、丸亀うちわは涼をとる道具としてだけでなく、料理を冷ます、火を起こす、日よけや虫除け、インテリア、ファッションアイテムとしても親しまれてきました。現在では年間1億本以上が生産され、国内シェアの9割を誇るなど、日本一のうちわ産地としての地位を確立しています。
丸亀の風土と職人の技が融合した「丸亀うちわ」は、時代を超えて人々の暮らしに寄り添いながら、その伝統を未来へとつないでいます。
丸亀うちわのブランド一覧
うちわ屋 涼 / 香川県丸亀市
香川県丸亀市に拠点を置く「うちわ屋 涼」は、職人の手仕事による竹うちわのみを専門に扱う工房です。株式会社紙工芸やまだ運営。地元で採れる竹を素材に、代々受け継がれてきた技術と職人の感性を込めて一本一本丁寧に作られたうちわは、見た目の美しさと共に、使う人の心を和ませる不思議な魅力を持っています。
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