包丁の基本的なこと。種類や選び方、私はどんな包丁がいいの?

包丁の基本的なこと。種類や選び方、私はどんな包丁がいいの?

料理をするには必須の道具である包丁。とても身近なキッチン用品ですが、いざ自分に合うものを選んでみるとなると、迷ってしまうこともあるかもしれません。
包丁には、どんな種類があるのか。切れ味が良いのはどんな包丁か。

包丁の基本的なことを中心に包丁選びの軸になりそうなポイントをいくつかまとめていきました。自分に合った包丁を探してみましょう!

 

包丁選びのポイントをおさえよう

包丁を選ぶときに気にしておきたいポイントは、次の4つです。

① 用途に合った包丁の種類
② 素材(ステンレス・ハガネ・セラミック)
③ サイズ
④ 手入れの方法

特に素材によって、切れ味のよさや刃こぼれのしにくさ、手入れの仕方などが変わってくるので違いをおさえておきましょう。

①の「用途にふさわしい」かどうかについては、家庭用の包丁の場合、結論から言うと「三徳包丁」がおすすめです。
「三徳包丁」は、大きな肉を切るのに適している「牛刀包丁」と、野菜を切りやすい「菜切包丁」のいいとこ取りな包丁です。野菜も肉も魚も、食卓によく出てくる食材をオールマイティに切ることができる「三徳包丁」。家庭で使われている包丁の9割を占めているといいます。特定の用途がなければ、この「三徳包丁」と、果物ナイフ(ペティナイフ)の2つを選ぶのがよいでしょう。
 
ただ、他にもさまざまな種類の包丁があります。料理の傾向などに合わせていろいろな包丁を検討してみてください。

 

包丁の種類を知る。両刃包丁と片刃包丁について

包丁には、両刃包丁片刃包丁の2種類があります。両刃包丁は、刃先が左右対称で右利き・左利き関係なく使うことができます。素材の大きさによって包丁の種類もありますが、基本的には一本でなんでも切ることができます。片刃包丁は、日本の伝統的な形式の包丁です。刃先が左右非対称で、右利き・左利きでそれぞれ違う型があります。食材の味を最大限引き出すために、素材によってさまざまな包丁が使い分けられています。

まず、両刃包丁の種類をみていきましょう。

【三徳(さんとく)包丁】

>越前打刃物 包丁 | STYLE-K | 三徳

迷ったらこの包丁を選ぶとよいでしょう。一般的な家庭用料理包丁です。肉・野菜・果物・魚(切り身) など、何でも切れる優れものです。

【菜切(なきり)包丁】

>越前打刃物 包丁 | STYLE-K | 菜切
昔ながらの四角いかたちの包丁です。刃の面積が広いため、大きな野菜を切るときも安定感があります。

【牛刀(ぎゅうとう)】

>越前打刃物 包丁 | STYLE-K | 牛刀
三徳包丁と同じく何でも切れる万能な包丁です。肉の塊などを切る包丁として外国から入ってきたものです。

【ペティ】

>越前打刃物 包丁 | STYLE-K | ペティ
「果物ナイフ」と言われることも多い、小回りのきく包丁です。ペティとは、フランス語で「小さい」という意味を表しています。

【筋引(すじひき)】
牛刀よりもさらに長く刃先がより細い包丁です。筋や骨から身を切り離すための包丁です。


次に、片刃包丁について見ていきましょう。家庭で使用するには、少しハードルが高いものかもしれませんが、料亭の料理人にとっては、身近な仕事道具でしょう。

【出刃(でば)】

>出刃包丁| 両刃 13cm | 四郎國光
刃が分厚い出刃は、主に魚をさばく際に使います。尾を落としたり骨も断つことが出来ます。厚みがある分、ずっしりと重量があるのが特徴です。

【柳刃(やなぎば)】
スッと長細い柳刃は、「刺身包丁」とも言われるように、主に切り身を切るのに適しています。一引きで切れるよう、長さがあります。

【舟行(ふなゆき)】
舟行は、漁師が漁に出る際に持って行ったと言われています。出刃と柳刃の間の厚さと大きさのためこの1本があればどちらの用途にも使えます。

【味切(あじきり)】
味切は、出刃より厚みが薄く小ぶりです。小回りが利くので、小さいイワシやアジなどの小魚を裁くのに、使い勝手がいいことが特徴です。

【薄刃(うすば)】

>越前打刃物 包丁 | 彩流 | 薄刃
「かつら剥き」と聞けばピンとくるひともいるかもしれません。刃先から刃元まで直線になっているのが特徴です。主に和食の料理人に使われています。

このほかにも調理する食材や方法によって、松刃・見卸・骨スキ・蛸引き・貝裂など、たくさんの種類があります。

 

包丁の素材の選び方。ステンレスか、ハガネか。それともセラミック?

こ見た目は同じでも、刃物に使われる素材にはたくさんの種類があります。特に「研ぎやすさ」と「錆びにくさ」は、素材によって違いが出てきます。包丁選びのなかでも最も重要な観点だといっても過言ではありません。自分の性格や、調理スタイルに合わせて、どの素材を選ぶかを決めましょう。

>菜切り包丁 | 安来鋼入り ステンレス | 先尖り 両刃 | 四郎國光


代表的な素材は、ステンレス・ハガネ・セラミックの3種類。「研ぎやすさ」と「錆びにくさ」の2つの観点からみていくと、違いが分かりやすいです。

研ぎやすさ

錆びにくさ

ステンレス

ハガネ

×

セラミック

 

ステンレスは、この3つの中だと最もバランスのとれた素材です。ステン(錆び)+レス(ない)という名前の通り、錆びにくく、手入れも簡単なので、家庭用包丁では、一番一般的です。
また、ステンレスのなかでも「ステンレス三層鋼」という素材もあります。柔らかいステンレスで、硬いステンレスを挟んだ鋼材で、 通常のものと比べ、切れ味が長続きすることが特徴です。


ハガネは、ステンレスと比べると、研ぎやすいのが特徴です。そのため、鋭い切れ味を維持することができます。一方で、とても錆びやすく、手入れに手間がかかってしまいます。
ハガネのなかでも「ハガネ三層鋼」という素材は、ステンレスでハガネを挟んだ鋼材です。刃先はハガネなので、刃先の錆びには注意が必要ですが、純正のハガネよりも錆びにくく扱いやすいのが特徴です。


最後にセラミックです。セラミックは、金属ではなく、陶器です。そのため、「錆び」にはほぼ無縁です。錆びないまま、切れ味が持続するため、お手入れに時間がかかりません。ただ、他の2つの素材と比べると、強度が低く、刃こぼれのしやすさが難点です。また、砥石を使用せず、シャープナー(包丁研ぎ器)を使うことも覚えておきましょう。
 

 

包丁のサイズを知る。それぞれの使用シーンに合わせて包丁を選ぶ

自料理をつくるとき、刃渡りがあまり長いと作業がしづらくなってしまうことがあります。ご自宅のキッチンの大きさやまな板のサイズを考慮したうえで、使い勝手のいい包丁を見つけましょう。

>越前打刃物 包丁 | STYLE-Kシリーズ
家庭用の包丁では、刃渡りが15から21cmの長さの包丁を選ぶのがおすすめです。包丁の種類ごとの代表的なサイズは、ペティナイフが15cm、三徳包丁が17cm、少し大きめの牛刀が21cmになります。

また、用途によっては、他の包丁の出番がくる場合もあります。

例えば、刺身を切るときは、刃渡り全体を使う切り方をするため、長さのある「刺身包丁」を使用するとよいでしょう。また、21cmの牛刀でも代用できます。

食パンなどの食材を切りたいときには、パン切り包丁が役に立ちます。三徳包丁で切ろうとすると、力が全体に加わってパンが潰れてしまいます。波刃のパン切り包丁をつかうことで、力が分散されてキレイに切ることができます。波刃の包丁はのこぎりのように使うため、少し長めの刃渡り21~24cmぐらいのものが一般的です。

魚を捌くときに適しているのは「出刃包丁」です。家庭向けのものであれば、刃渡りが15~16.5cmほどが使いやすいでしょう。基本的には大きければ大きいほど、その分大きな魚を捌くことができるのですが、重さがあるものなので、その人の体格に合わせて選ぶことをおすすめします。

 

 

切れなくなったらどうする?研ぎ方について

包丁にも寿命は当然ありますが、どれくらいの頻度で使用するかや普段どのように手入れをしているかによって、寿命を伸ばすことも可能です。 適切な手入れをすれば、10年、20年と長く使い続けることができます。

包丁にとって、酸・アルカリ・塩分は、錆びの原因です。使用後のお手入れをしっかりとおさえ、いいものを長く使いましょう。

〇日々のお手入れ

①洗う
洗剤は、中性の食器用洗剤がおすすめです。包丁の背の部分からスポンジではさんで擦ります。このとき、柄の部分もしっかり洗いましょう。忘れがちですが、料理をした手で握った柄にも汚れが付着します。刃のつなぎ目の部分も汚れが残りがちなので念入りに洗います。

②乾燥・保管
すすぎ終わったら、清潔な布やペーパータオルで十分に水気を拭き取ります。仕上げに熱湯をかけて消毒しておくとなおいいです。風通しのよいところに保管しておきましょう。
また、保管時に他の金属と長く触れていると、その金属の錆びが移り「もらい錆」ができてしまうことがあるため、注意が必要です。

※セラミックの包丁の場合は、錆びることはありませんが、野菜の汁などの着色汚れが気になりはじめることもあります。その場合は、漂白剤をつかって汚れをとりましょう。

〇切れ味が悪くなったら

包丁を研ぐ方法は、砥石で研ぐ場合とシャープナー(包丁研ぎ器)で研ぐ場合の2種類があります。お手入れをする頻度としては、月に1~2回を目安に切れ味が気になってきたら取り組むことをおすすめします。
価格帯と手軽さを求めたい・セラミック包丁を購入する場合はシャープナーを、包丁を長持ちさせたいならば砥石がよいでしょう。

シャープナーを使用する場合の注意点として、刃こぼれしやすいという点があります。包丁の刃先だけを削り取りながら研ぐので一ヵ所に力が入りやすいためです。砥石を使う場合は刃先の角度を保ったまま研ぐことができるため、包丁が長持ちします。

〇砥石を使った研ぎ方

①洗面器やボウルの中に砥石を入れ、10~20分ほど水に浸す。

②包丁は砥石に対して45°にして、手前から奥へ軽く押し出すように研ぐ。

このとき、砥石が滑らないよう下にふきんなどを敷いておきましょう。砥石に当てる刃の部分は約15°(割り箸1本分程度)浮かせつつ、手前から奥へ軽く押し出すように研いでいきます。慣れないうちはこの角度を保つのが難しいですが、初心者向けに「角度固定ホルダー」という道具もあります。

③気になるところを順番に研いでいく。
刃の先端、中心、根本の3回に分け、指を添えながら研ぎます。10~20回ほどが目安です。そのうち削れた砥石が水と混じって泥のようになってきますが、そのままにします。

④「バリ」という刃のめくれを確認する。
バリができているかどうかは、刃先に軽い引っかかりを感じるかどうかで確かめます。刃先から根本までしっかりバリができたら反対面も研いでいきます。

⑤反対側も同様に研ぐ。

⑥「バリ」をとる。
角度を15°に保ちながら、根本から先端にかけて軽く滑らせます。新聞紙で擦ってとることも可能です。机など平らな面に新聞紙を広げ、数回擦ります。


〇錆びをとる方法

どんなに念入りに使っていても錆びてしまうことはあります。錆びができてしまった場合は、重曹やクレンザーを使用します。錆びは放置しておけばおくほど、落ちにくくなるため早めの対応がとても大切です。

①包丁を軽く水で濡らし、重曹またはクレンザーを錆びた部分に乗せる。
②スポンジやふきんでごしごし擦る。
ナイロンのスポンジを使用する場合は、硬い面を使用しましょう。ちなみに、ワインのコルク栓を使うこともできます。円を描くように擦ります。
③水で洗い流す。
④しっかりと水気をとり、乾燥させる。


ただ、「ハガネ」素材の包丁のようにものによっては、特性上錆びやすいものもあります。職人にお手入れを依頼することもできるので、ご安心ください。


いかがだったでしょうか。「研ぎやすさ」や「錆びにくさ」などさまざまな観点から包丁について紹介してきましたが、自分に合った包丁を見つけてください。

 


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