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カート

カートが空です

若狭塗

福井

若狭塗は、福井県小浜市周辺で作られる伝統的な漆器です。その起源は江戸時代初期に遡り、小浜藩の職人・松浦三十郎が若狭湾の美しい海底をデザインに取り入れ、中国の漆器技法を参考にして生み出しました。特徴的なのは、「研ぎ出し技法」と呼ばれる手法で、卵殻や貝殻、松葉などを用いて模様を作り、幾重にも漆を塗り重ねた後、表面を研ぎ出すことで独特の風合いを生み出します。この技法は1658~1660年頃に完成し、小浜藩の保護のもと発展しました。

若狭塗の中でも特に有名なのが若狭塗箸です。現在、日本国内で生産される塗箸の約8割が若狭で作られており、その品質と美しさから全国的に親しまれています。若狭塗箸は、伝統的な漆塗りの技法を活かし、何度も漆を塗り重ねることで独自の模様と光沢を生み出します。特に、貝殻や卵殻を用いた装飾は、海底を思わせる幻想的なデザインが特徴です。また、箸先が細く仕上げられていることから「鶴のくちばし」とも呼ばれ、長寿や縁起の良い品としても知られています。

若狭塗箸の製造工程は10以上の工程を経て丁寧に仕上げられます。木地の加工から始まり、下塗り、中塗り、模様付け、研ぎ出し、仕上げの塗りと磨きまで、すべて職人の手作業で行われます。漆を塗り重ねた層を丹念に磨くことで、若狭塗ならではの奥行きのある美しい模様が浮かび上がります。

若狭塗の歴史は長く、江戸時代から続く伝統技術ですが、現代では新しいデザインの研究も進められ、日常使いしやすい製品も増えています。さらに、2008年には「オバマ」つながりで当時の米国大統領バラク・オバマ氏に若狭塗箸が贈られ、国際的にも注目を集めました。伝統と革新が融合した若狭塗箸は、日本の食文化に欠かせない存在であり、職人の技術と美意識が詰まった逸品です。

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