旭川家具・クラフト
【北海道】
旭川家具は、北海道大雪山系の豊かな森で伐り出した木材を使用して生活の道具を作り始めたことに端を発します。一世紀以上の歴史を持ち、現在では旭川市を中心に東川町、東神楽町、当麻町一帯が、日本を代表する5大家具産地の一つとして知られる「家具の聖地」となりました。
旭川家具の特徴は、手仕事によるものづくりと機械による高い生産効率を融合させた技術力にあります。精巧さと量産性を兼ね備えたこの製造技術が、優れた品質と適正価格を実現しており、日本国内外で高く評価されています。また、旭川地域では全国技能五輪大会において数々のメダリストを輩出しており、次世代の職人を育成する取り組みにも積極的です。このように、地域全体で技能の継承と向上が図られている点も旭川家具の強みの一つです。
さらに、1990年から3年に一度開催されている「IFDA(国際家具デザインコンペティション旭川)」は、世界中からデザインアイデアを集め、旭川家具の国際的評価を確立する重要な役割を果たしています。IFDAを通じて、旭川は「デザインの追求」という理念を強固にし、現在ではユネスコ・デザイン都市に認定されるまでに至りました。
旭川家具のもう一つの強みは、その「産地」としての総合力です。地域全体を支える教育機関や行政機関、国内外から資材が集まる集積地としてのインフラ、そして家具を体験・販売する複合施設の運営など、世界でも類を見ない木工インフラが整っています。これにより、大小さまざまなメーカーが多様な家具づくりを進め、日本の家具産業を牽引し続けています。豊かな自然と技術力が結集した旭川家具は、国内外で高い評価を受ける一大産地です。