江戸節句人形

東京など

江戸節句人形とは

桃の節句や端午の節句に飾られる人形の総称です。具体的には、雛人形や五月人形、市松人形、風俗人形などの衣装を着た人形と、実際の甲冑を基に精巧に作られた江戸甲冑が含まれます。これらは元々戸外に飾られていた甲人形を室内用に小型化したもので、写実的で精巧なつくりが特徴です。

江戸節句人形の歴史・技術

江戸節句人形の歴史は、江戸時代初期に遡ります。当初、京都の人形に影響を受けて制作が始まりました。その時期の主流は、大型で屋外に飾る「享保雛」という豪華な人形でしたが、次第に幕府から贅沢品と見なされるようになり、人気が衰えました。
その後、約250年前、徳川10代将軍家治の時代に「次郎左衛門雛」という人形が江戸に伝わります。この人形は小ぶりで、家庭の中に飾りやすいデザインが特徴です。次郎左衛門雛の人形師が江戸に人形店を開くと、江戸の庶民の間で広く受け入れられました。この小型で写実的なスタイルが、現在の江戸節句人形のルーツとなっています。
江戸節句人形の材料について。人形の頭部は、桐材に彫刻を施したものや桐の木くずを使った桐塑を用います。胴体には、杉の木を細く削ったものを詰め、髪は黒く染めた絹糸で仕上げられます。着物には、特別に染められた絹の反物が使用され、本物同様に仕立てられています。また、甲冑は木や紙、鉄、銅、皮革、絹糸などの天然素材で作られています。
平成19年に経済産業大臣より伝統的工芸品に指定されたことにより、伝統技術が評価され、後世に伝えられることが期待されています。江戸節句人形は、歴史的な価値と技術的な精巧さを併せ持つ、日本の重要な文化遺産です。

江戸節句人形のブランド一覧

鈴甲子雄山 ／ 千葉県鎌ヶ谷市