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記事: 工芸品を楽しむ、おすすめの店10選

工芸品を楽しむ、おすすめの店10選
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工芸品を楽しむ、おすすめの店10選

セレクトショップ編

東京で工芸品を販売しているショップの多くは、店主の感性で全国からセレクトされた工芸品が並んでいます。それぞれに、選定の基準などが違うので、ショップをハシゴしてみるのも楽しいです。店舗の雰囲気とともに、独自の視点で選ばれた工芸品の数々を見比べられます。

[日本百貨店]暮らしの中で気軽に楽しむ工芸品

2010年12月に、東京・上野御徒町にオープンしたセレクトショップ。「“ニッポンのモノヅクリ”と“スグレモノ”」をテーマに、全国から職人が丁寧に作り上げた商品が集められています。

2018年6月現在は、横浜赤レンガ倉庫や東京駅「GRANSTA」などに8店舗あり、毎日の暮らしに彩りを添えてくれる一品が並びます。いずれの商品も、作り手の思いやこだわりが感じられるものばかり。各店舗で少しずつ品揃えが変わるのも面白いです。

販売されているのは、和紙や布製品、手ぬぐいなどのほか、錫の酒器や陶器のカップ、箸などさまざま。手造りの金平糖や味噌・醤油などの食品も集められています。日本の良さを知りたい、日本の職人の技が伝わるものを贈りたいというときは、幅広いニーズに応えてくれるでしょう。

期間限定で登場する工芸品もあり、期間中は、作り手に話を聞くことも可能です。全国の百貨店などにイベント出張することも多いので、近くで開催されるときは、ぜひ、訪れてみてほしいです。

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日本百貨店おかちまち
東京都台東区上野5-9-3
営業時間 11:00~20:00

[のレン]海外からの視点で魅力を発掘

東京、京都を中心に、神奈川、愛知、大阪に10店舗を展開する、セレクトショップ。外国人の視点で日本のものづくりを見直すことで、日本人が気づかなかった魅力を伝えてくれるショップです。

店舗に並ぶのは、風呂敷や和文具、茶碗など、昔から暮らしの中で使われてきた工芸品に加え、タオルやグラス、バッグ、キーホルダー、アクセサリーなど、現代に暮らしにも馴染む品々。南部鉄器や甲州印伝、お香など伝統を感じさせる工芸品も、色合いや形などを現代的に変化させているブランドのものが多いです。遊び心のあるインテリア雑貨や、ペン、モバイルバッテリーなどもあり、伝統や工芸品に馴染みがない人でも、日本の職人技を身近に感じてもらえるでしょう。

伝統工芸品については、歴史や製法、使い方のほか手入のやり方も教えてくれますので、初めて工芸品を手にしたい、という人にも安心。「外国人の視点でセレクトした」ということもあって、海外の方への贈り物を選ぶときも、ぴったりのものが選べそうです。

<DATA>
のレン本店
京都府京都市東山区祇園町南側582 1F
営業時間 10:30~22:00

[2k540 AKI-OKA ARTISAN]職人の町の工房兼ショップ

御徒町は、かつて、職人のまちでした。今も多くの職人が工房を連ねていますが、そんな職人たちの技を、工房とショップを1つにした形で提供してくれるのが「2k540」です。JR御徒町駅から秋葉原方面へ歩いた高架下にあり、約50のショップが並んでいます。革製品や陶磁器、ガラス工芸、木工、草木染めなどの伝統工芸のほかに、ジュエリー樹脂製品、家具、靴など、「ものづくり」をテーマに、そのジャンルはかなり幅広いです。

商品だけを並べている店舗もあれば、その場で陶芸体験ができたり、製造工程が見学できたりする店舗もあります。なにより、職人が手がけた商品を前に、工芸品について語り合ったり、こだわりや思いを話してもらえたりするのは、工芸ファンにとってはなにより楽しい時間になるでしょう。

通りの中には、カフェなどの飲食店もあります。こちらもこだわりの食事や飲み物が味わえますので、1日、職人技に浸れる時間を過ごしてはいかがでしょうか。

<DATA>
2k540 AKI-OKA ARTISAN
東京都台東区上野5-9
営業時間 11:00~19:00(店舗により異なる)

[千鳥]料理をおいしくする器

毎日の食卓を彩ってくれる器。料理をおいしくしたり、華やかにみせたりするのも器の役割です。そんなうつわの魅力にはまり、料理教室の講師から器専門店へ、という異色の経歴をもつオーナーの店が「千鳥」。日々の暮らしの中で、毎日使える丈夫さをもち、使いやすい器にこだわっています。

「器」の専門店なので、素材の幅は広いです。「器」と言っても、陶磁器だけでなく、ガラスや錫、木工など、さまざまな器があることに、改めて驚かされるでしょう。いずれも、オーナーが作家を訪ね、納得したものばかり。どれも、職人の手により、1つひとつ丁寧に作られたもので、それぞれの作家の個性はあっても、なぜか使いやすい、という器ばかりです。

定期的に、作家の作品展も開催されています。通常店舗で販売されている作家や、新たに出会った作家の器が展示販売されます。さまざまな作家ものを見比べるのも楽しいですが、一人の作家の作品を並べるのも個性が強く感じられて興味深いです。「この作家が好きだ」と感じられる一人にも出会えるかもしれません。

器自体も楽しいですが、料理の世界から器の世界にはまりこんだオーナーとの器談義も、もちろん楽しんでいただきたいです。

<DATA>
千鳥
東京都千代田区三崎町3-10-5 原島第二ビル201A
営業時間 12:00~18:00

[備後屋]ミックジャガーも訪れた民芸の百貨店

民芸品と工芸品の違いはなかなか難しいです。工芸品は高度な職人技を駆使して作られるもので、民芸品は暮らしの中で日常的に使われる手作りの品を指す、という人もいます。確かに、民芸品は素朴なイメージがあるかもしれません。しかし、子どものため、家族のため、と人々が暮らしの中で使いやすいように形を変えてきただけあって、どの民芸品も毎日使いたくなるような工夫がこらされたものです。

そんな日本の暮らしが感じられる、民芸品の百貨店ともいえるのが備後屋。地下1階から4階まで、和紙や布、竹細工、陶磁器にアクセサリー、伝統玩具など、全国から集められた民芸品が所狭しと並べられています。いずれも、1つひとつ手作業ならではのぬくもりと味わいを感じる民芸品です。

古くから受け継がれてきた、日本の暮らしが感じられる民芸品に惹かれるのは日本人ばかりではありません。実は、「The Rolling Stones」のミック・ジャガーが日本を訪れたとき、備後屋で買い物を楽しんだといいます。カラフルな毬や、手ぬぐい、木や土を素材にした優しい表情の人形などは、日本らしさを感じさせる、外国の方への贈り物にもおすすめです。

<DATA>
備後屋
東京都新宿区若松町10-6
営業時間 10:00~19:00

地元ショップ編

全国から工芸品を集めるのではなく、地元で作られているものを集めて、発信しているショップは、深く工芸品を知ることができる場所。各地に点在する地元型ショップの中でも、注目しているショップをとりあげます。

[うなぎの寝床]九州の魅力を持って帰れる店

「うなぎの寝床」があるのは、九州。福岡県八女市だ。福岡県の中心地からはちょっと遠い、福岡の南部にある、筑後地域のアンテナショップです。しかし、ここのコンセプトは凄いです。町家を改装した店内には、久留米絣や九州一円の窯元から集めた陶器、木製のおひつや、固定ファンも多い包丁、九州各地の郷土玩具など、地域を感じさせるものが集められています。

なかでも面白いのは、ショップと職人がコラボレーションして、オリジナルの商品を作っていること。特に、久留米絣を活用したオリジナルもんぺは、現代の暮らしにあわせて、生地から共同開発したもの。履きやすく、スタイルよく見せてくれると、全国的に注目されています。

地域のショップは作家と近いのが大きな魅力。なぜ、この地にその工芸品が根付き、発展してきたのか、そんな背景が体感できる場所だと思います。

<DATA>
うなぎの寝床
福岡県八女市本町267
営業時間 11:30~18:00

海外ショップ編

日本の伝統工芸は、今、世界から注目を集めています。海外の展示会などで、日本の工芸品を集めたブースに人だかりができるなど、技術と品質の高さが、認められているのです。海外の人に教えてあげたい、日本の工芸品に会える海外ショップをいくつか紹介しましょう。

[松山文創園区(台湾)]日本の工芸に注目する台湾のカルチャースポット

かつて煙草工場だったという建物を、リノベーションして生まれ変わらせた、話題の施設が「松山文創園区」。台北101にも近い都会にありながら、緑豊かな癒やし空間として人気を集めています。施設内は、アート作品が並ぶエリアや、ガラスアート工房のギャラリー、カフェなどが並んでいますが、その中に、江戸切子や高岡銅器などの日本の伝統工芸を並べている店もあるといいます。広いイベントスペースもあり、2018年に開催されたイベントでは、江戸切子は実演販売が人気を博しました。

デザイン的にも美しく、高い技術を感じさせる日本の工芸品のショップが、いつかこのエリアにオープンする日も遠くないかもしれません。

<DATA>
松山文創園区
台北市光復南路133号

[PMQ(元創方)(香港)]香港の伝統施設でも日本の工芸品が人気

歴史的に意義のある建物を保存・活用しようという動きが盛んな香港。その中でも既婚者向けの警察宿舎だった建物をリノベーションしたPMQは、香港でも今話題のスポットの1つです。その特徴の1つは、さまざまなアーチストやクリエイターのアトリエや、世界中からデザインセンスの高い商品を集めたショップが並ぶエリアがあること。日本のグッドデザイン賞を受賞したものを集めたショップや、工芸品や陶磁器を扱う専門店もあり、感度の高い香港の若者にも人気です。

<DATA>
PMQ
35 Aberdeen Street, Central, Hong Kong

[方所(中国)]本と雑貨のコラボレーション

方所は中国の大型書店チェーン。カフェを併設した店舗や国内外の著名人を呼んでのイベント開催など、話題になっている書店です。店舗デザインなども人気で、書籍だけではなく、さまざまな関連する商品を販売しています。

中でも、四川にある方所では、日本の工芸品に関する本と実際の工芸品を一緒に並べていました。日本の工芸品に興味がある層に、実際の工芸品をみてもらえば、より興味をひくことができるのでしょう。今、中国のアッパーミドル層は工芸品に高い関心を示しているといわれます。彼らが訪れる、方所のような場所であれば、伝統の技術が活きた、工芸品が手に入るでしょう。

建築雑誌『ARCHITECTURAL DIGEST』にて「世界で最も美しい書店14選」に選出

[kiriko(アメリカ・ポートランド)]和布のハンドクラフト

最近注目しているのが、アメリカのポートランドにある「kiriko」。DIYが盛んなポートランドでもユニークなグッズで注目されているショップです。販売しているのは、日本の生地や着物、帯を使った服、バッグ、スカーフなど。日本人オーナーが中古の着物地を手に入れ、パッチワークなどで、ポーチやジーンズなども作っています。

チャイナタウンにはオープンスタジオもあり、ビンテージのリーバイスに着物の端布を縫い合わせている作業などを見ることができます。Tシャツやトートバッグなどの手頃な値段のものもあり、いずれも手頃な価格で手に入ります。カジュアルに使えるものが多いので、毎日の装いに和のテイストを加えたい、という場合にはオススメです。

<DATA>
kiriko
325 NW Couch St. Portland

まとめ

今回紹介したのは、それぞれのショップのこだわりにあった商品が集められたセレクトショップ。店主オススメの工芸品を手にとって、じっくり見て選べるのが魅力です。

どれを選んだらいいかわからない、という場合は、工芸品についてじっくり学んで、セレクトしたものがならぶオンラインショップもおすすめ。

日本工芸堂のオンラインショップは、日本工芸堂のバイヤーが、作り手とじっくり会話して、納得したもの、自分たちがほしいと思ったものをご紹介しているので、ぜひ、じっくり見ていただきたいです。

※バイヤーは世界を飛び回って、おすすめショップ情報を集めています。こちらのサイトでも紹介していきたいと思いますので、皆さんのおすすめショップも、ぜひ教えてください!

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