七宝焼きの作り方、特徴と歴史。制作体験できるのはどこ?

七宝焼きの作り方、特徴と歴史。制作体験できるのはどこ?

皆さんは七宝焼と聞いてどんなものを思い浮かべますか?「焼」という字がついていることから、土を捏ねたりろくろを回したりする様子が頭をよぎる方もいるかもしれません。

本記事では、 “金属とガラスの工芸“、七宝焼について特集していきます。

七宝焼とは

七宝焼とは、金属とガラスでつくる焼物の一種であり、その伝統工芸技法および作品のことを指します。
陶器のような独特の光沢と鮮やかな色合いが魅力の七宝焼は、その見た目から”人がデザインできる宝石“という枕詞で呼ばれることもあります。製法としては、金や銅などの金属の素地に、ガラスの釉薬を指して、約800_℃の高熱で焼成していきます。

私たちに身近な七宝焼としては、校章や社章、あるいは役職バッジなどがあります。それ以外にも花瓶や壺、銘々皿など大きな美術作品が作られています。遡ると江戸時代には、刀のつばやサヤ、神社仏閣の釘かくし、ふすまの取っ手部分の装飾として制作されていました。

七宝焼の歴史

七宝焼の起源は古く、紀元前の古代エジプトだと言われています。日本へ伝わってきたのは、古墳時代だと推定されています。シルクロードを通じて、仏教とともに中国から伝来してきました。ちなみに七宝焼の「七宝」も仏教の説話に出てくる7つの宝物のように美しい焼き物というのが由来です。

現在、知られている七宝焼は、江戸時代の尾張七宝に縁があります。尾張国の梶常吉が、オランダ船から輸入された七宝の皿を手がかりに独自の製法を見出し、一躍「七宝焼」の名が有名になりました。

明治時代には、パリ万国博覧会にも出展しています。戦後に至っても、その技術は、校章や社章などの徽章に用いられていました。また現在ではインテリアやアクセサリーにまで進化し、愛用者に美しいデザインが喜ばれています。

七宝焼の種類、伝統工芸品なの?

七宝焼は、技法によっていくつかの種類分けをすることができます。日本における代表的な技法としては、「有線七宝」「無線七宝」「透胎七宝」「省胎七宝」「箔七宝」などがあります。

日本で主に制作されているのは「尾張七宝」と「京七宝」と「東京七宝」です。そのうち、愛知県名古屋市の「尾張七宝」は経済産業大臣による指定を受けた日本の伝統的工芸品です。

七宝焼の魅力

七宝焼の魅力について2点ご紹介します。
まず一つ目としては、「美しさが長く保たれる」という点です。七宝焼はガラス質の釉薬を用いているため、一度完成したものは、色や模様が色褪せることがほとんどありません。

七宝焼の起源とも言える、ツタンカーメンのお面が現代まで輝きを保ったまま残っていることからも分かります。そのため、自分へのご褒美として手にすれば買ったときの美しさのまま長く手元に置いておくことができます。また、親から子へ、さらに孫の世代へ、同じものを受け継いていくことも可能です。

次に二つ目としては、「異なる技法によって様々な表情を持っている」という点です。七宝焼には、「有線七宝」や「無線七宝」「省胎七宝」などいくつかの技法があります。

それぞれの技法を用いてつくられた品々は各種多様な輝きで私たちの目を楽しませてくれます。それだけではなく、制作体験も行われているため、ハンドメイド特有の、自分の手で世界に一つだけしかない模様を作ることができるところも魅力でしょう。

七宝焼の作り方は?

七宝焼の作り方について見ていきましょう。七宝焼にはいくつかの技法がありますが、ここでは代表的な技法である「有線七宝」の制作過程を詳しくご説明します。

工程は大きく分けて素地づくり、植線、施釉、焼成の4つです。

① 素地づくり

土台となる素地を作っていきます。作る大きさに合わせて銅板を切り出したら、木槌で叩いてカーブをつけます。こうすることで施釉するときに割れにくくなります。

そのあとは「裏引き」と呼ばれる、裏部分に釉薬を施す作業に移ります。表だけに釉薬を塗るとバランスが悪くなり割れやすくなってしまうため、素地には裏表両方に塗ります。次に銀箔を貼り付ける「銀張」を行います。後の工程で割れてしまうことが無いようにする工夫が詰まっています。

②植線

作りたい模様の輪郭に合わせて銀線を立てていく作業を行います。この工程は有線七宝のメインとも言える、工程の中で最も手間をかける部分になります。

金属線はピンセットでつまんで欲しい形に変形していきます。時折、熱しながら適度に柔らかくして変形しやすくします。

③ 施釉

先ほどの工程でかたどった模様に、釉薬の色を差していきます。このとき釉薬は、金属線の背を少し超えたところまで乗せていきます。手作業になるので、はじめのうちは表面に凹凸ができてしまいます。しかし、最終的には表面の高さが均一になるように研磨をして滑らかにします。

 

④焼成

焼成は重ね塗りをしたり、調整したり、納得のいく出来になるまで繰り返し行います。釉薬の色を重ねていくほど、色は深みを増していきます。

以上が七宝焼(有線七宝)の制作過程です。

七宝焼の特徴

実は法人ギフトの定番、七宝焼のなぜ?

この工芸品、実は、法人ギフトの定番の一品であることをご存知でしたか?
特に選ばれるのは、飾り皿や花瓶、額縁など大ぶりのものでしょうか。銀線を一つずつ手作業で張っていく有線七宝の手法で描かれた、繊細でありながら豪奢な絵柄は、オフィスを華やかにしてくれます。そんな品の良い高級感が人気の理由かもしれません。

おすすめの逸品:七宝焼き | 飾皿 | 桜 15x21

 

七宝焼き、どんなシーンで使われている?

法人向けの七宝焼は、高価な物が多いですが、自分へのご褒美や友人・家族へのギフトにぴったりの物も制作されています。例えば、タイピンやカフスボタン、もしくはピアスやネックレスなどの身につけるものであったり、小ぶりの飾り皿やペン皿も人気があります。最近では、七宝焼の技法を取り入れたハンドメイド作家さんもたくさんいらっしゃいます。重厚感のある和テイストのアクセサリーは、古風な感じとモダンなイメージが合わさってとても素敵です。特に着物や浴衣にぴったりです。

七宝焼きの窯、制作体験できるのはどこにある?

一度制作体験してみるのはいかがでしょうか。以下に制作体験できる窯元をご紹介いたします。(各所には事前に予約申し込みなど確認をしてから訪問してください)

加藤七宝製作所(愛知)
https://katoshippo.com/page/workshop

あま市七宝焼アートヴィレッジ(愛知)
https://attractive-j.com/experiences/PNXABG?lang=JP

坂森七宝工芸店(東京)
https://www.sakamori-shippo.com/school.html

ヒロミ・アート(京都)
https://hiromi-art.jp/hataiken.html

七宝工房くじゃく(山形)
https://www.kouboukujyaku.com/school.html

その他でも制作体験ができる場所が全国各地に存在します。「百聞は一見にしかず」ということわざがあります。ご興味がある方は実際に訪れてみてくださいね。


日本工芸堂バイヤーおすすめの七宝焼をご紹介

七宝焼き | 飾皿 | 丸富士桜 30φ ¥44,000[税込]

七宝焼き | 飾皿 | 波涛鶴 18x24 ¥16,500[税込]


七宝焼き | 額 | 赤富士 40×61×5 ¥110,000[税込]


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