夏はガラスで涼やかに。ガラスのおすすめ工芸品
季節感を大切にする料亭に夏に行くと、必ずガラスの器が出てきますね。ガラスの器に盛られた旬菜やおつくりは、見ているだけで涼やかな気持ちになれます。
自宅でもビールを飲むグラスや素麺を盛る器をガラスに変えるなどちょっとした工夫で、涼やかで透明感ある美しさを楽しむことができます。これからの暑い夏に涼やかなガラスの器で、自宅の食事に涼を取り入れてみませんか。
ガラスの器で食卓をコーディネート
宙拭きや柄のある器で見栄えよく
ガラスの器というと、飲むためのグラスを考える方が多いかもしれません。ですが、口の広いグラスは料理やデザートの食器としても使いやすいものです。
例えば「肥前びーどろ縄文ロック」や「肥前びーどろ虹色ロック」など。どちらも佐賀県の重要無形文化財に指定されている伝統工芸品で「肥前びーどろ」は、熱したガラス種に竿で息を吹き込んでつくる宙吹きガラス。宙吹きならではのぽってりとした滑らかな艶があり、素朴でレトロな雰囲気が特徴です。
どちらもロックグラスですが、丈が短く口が広いので、シャーベットやアイスクリームを入れたり、めんつゆを入れて素麺などを楽しんだりと幅広い使い方ができそうです。
>肥前びーどろ 縄文ロック のページへ
>肥前びーどろ 虹色ロック のページへ
ガラスの器と一緒に木製トレー、藤や麻でさらに清涼感アップ
そばや素麺などをガラスの器に盛ると涼しげですが、さらに藤や木のランチョンマットを下に敷いて使うことで、さらに涼しさ・透明感を盛り上げることが可能。
「土佐竜 ティーマット」は、四国の四万十川流域で取れた四万十ヒノキを使った贅沢なマット。その上にガラスの器に乗せたそうめんやそばを置けば、センスのよい涼しげな食事に早変わりします。良質なひのきなので、美しさだけでなく、丈夫でほんのり木の香りも楽しめます。ティーマットには大きいサイズのもの、小さなサイズのものがありますので、一人分でも、多人数でも、セッティングが決まります。
竹の葉を飾ったり、つゆを入れるちょこもガラスにしたりすると、さらに見栄えがよくなります。薬味や副菜などを工夫すれば、ちょっとした夏のおもてなし料理にも。「センスいいね」といわれる一品になりますよ。
小さなガラスの器にちょっとした料理を盛り付けて
手のひらサイズのガラスの盃やぐい呑などに料理を盛ると、涼しく賑やかな食卓を演出できます。
「津軽びいどろ 四季の盃」は、青森県津軽地方で作られる宙吹きのガラスで「花見酒」「涼見酒」「月見酒」「雪見酒」の4つの盃から成り立つシリーズ。きんぴらや白和え、冷やっこ、焼きなすなどの料理を、それぞれのカラフルな色合いに合わせて少しずつ盛れば涼しくておしゃれな一品になります。いくつか盃やぐいのみに料理を入れて並べれば華やかな雰囲気にも。
また、「江戸硝子ぐい呑 彫刻夢柄子 ぶどう紋 」には、冷たいスープやジュレなどを入れてもいいかもしれません。
小さな盃やぐい呑は使い方次第で、いろんな料理に使うことができます。ぜひご自宅でも素敵な使い方を見つけてみてください。
夏にお酒を楽しむオススメのガラス工芸品
ビールはスリムなグラスで
夏はやっぱりキンキンに冷やしたビール。そんなときに使いたいのが、やはりガラス製のグラスです。薄くて透明感あるガラス製のグラスは唇や舌に触れる感触も心地よく、目で見て、飲んで、楽しむことができます。
薄いグラスでおすすめなのが、「津軽びいどろ スリムグラス」。宙吹きのガラスですが薄めで細長く、ビールを飲む器としておすすめです。「津軽びいどろ」の特徴である鮮やかな色合いも特徴のひとつで、日本人の大好きな桜の色を眺めつつビールを楽しめます。
また「江戸硝子 富士山タンブラー」も透明で薄く、美しいグラス。このグラスの底の部分には雪を冠った富士山の姿が。飲み物を入れるとその色を反射して輝くのが特徴です。ビールを注ぐと黄金色に輝く富士山が見られるかもしれません。
>江戸硝子 富士山タンブラー のページへ
肥前びいどろは人気が高いです。淡い色味のグラスは宙吹きで作られ職人の心意気を感じながら、喉元を通り過ぎるビールを味合わます。
>ビアグラス | 肥前びーどろ 虹色 のページ
焼酎やウィスキーをロックで楽しむグラス
ビールののど越しを楽しむ以外にも、夏の暑い夜には、すっきりとした味わいの米焼酎やジンなどのスピリッツもおすすめです。スピリッツ類は透明な氷をたくさん入れてきりっと冷やすロックスタイルなら、味の変化も楽しめます。
そもそもロックグラスとは「オールドファッションドグラス」の略で、飲み口が広いグラスのこと。最近ではいろいろなロックグラスが売られるようになりましたが、ちょっと高級なロックグラスで飲むお酒の味は格別なものがあります。
例えば、「江戸切子」や「薩摩切子」のロックグラス。もともと江戸っ子たちは、切子の器で夏を感じていたそうですから、涼を感じるにもぴったりです。シャープな江戸切子に、重厚な薩摩切子。色やカットもいろんなものが揃っていますので、好みのものを見つけやすいでしょう。どちらもとっておきのお酒を飲むときに使いたいですね。
>江戸切子 のページへ
>薩摩切子 のページへ
>琉球グラスのページへ
キリリと冷やしたシャンパンやワインを味わうグラス
キリリと冷やしたシャンパンなどのスパークリングワインや白ワインは、夏の定番。器が変わるとより一層華やかになります。
ワイングラスなら「津軽びいどろ台付きグラス」もおすすめ。シンプルで使いやすく、色合いが美しい津軽びいどろのグラスです。お皿やほかの器もガラスでコーディネートして、食事と一緒に楽しんでみてはいかがでしょう。
冷酒を楽しむ盃
「ビールやワインもいいけど、やっぱり夏は冷酒」という方におすすめなのが、冷酒のおちょこや酒器のセット。
「薩摩切子 冷酒おちょこ」はちょっと珍しい冷酒専用のおちょこです。高度な技術で作られた薩摩切子は、重厚で淡いグラデーションが特徴。金赤・金紫・黄・藍など、7つの色があります。
「江戸硝子 青・赤 富士祝盃ペア」はおめでたい富士山をあしらった江戸硝子の盃。青と赤のセットになっているので、夫婦で晩酌をするときにもぴったりです。
また、「津軽びいどろ 酒器セット 」は、おちょこと冷酒器がセットになっており、冷酒器にお酒を入れ、冷やしてから飲むのに便利。3種類の模様があるので、お好みのものが選べます。
使ったあとは手洗いして乾燥を
繊細なグラスの洗い方
今回ご紹介したガラスの器は、すべて伝統工芸品。ガラスは急な温度変化や高温に弱いため、大切に扱う必要があります。食器洗い機などは使わず、手洗いし、乾燥させます。
洗うときは、はじめにぬるま湯につけ、やわらかいスポンジを使って中性洗剤で洗いましょう。洗い終わったら、グラスリネンなどを使って優しく拭きあげます。大切に使って、長い間伝統工芸品と長くお付き合いしたいものです。
ひと工夫で日常を豊かに演出
料理を盛り付けたり、お酒を楽しんだりといろいろな使い方ができるガラスの器。夏の食卓を彩る名物でもあります。使い方次第でいろいろな楽しみ方ができますので、自分ならではの使い方をみつけてみませんか。うだるように暑い日には、清涼感を与えてくれるガラスの器で夏の夜を楽しみましょう。
【あわせて読みたい】 |
> 「伝統工芸の魅力」記事一覧 |