プロが徹底監修!江戸切子が色の違いで値段が高い/安い理由

プロが徹底監修!江戸切子が色の違いで値段が高い/安い理由


 

赤・黒・瑠璃色など|江戸切子の色の種類一覧

日本の代表的な伝統工芸品の一つである江戸切子。江戸時代から現在まで途切れることなく継承されてきました。職人技によって形作られる独特の文様や、照明のあたり具合で、雰囲気が変化する色合いが魅力的です。

これまで大切な人からのプレゼントや自分へのご褒美などで手に取られる機会があった方も多いかと思います。店頭でよく見かけるのは、「瑠璃色」や「赤色」でしょうか。

いくつか種類があり、他にもさまざまな色合いの江戸切子が存在し、流通しています。一覧を以下に示します。

・赤色、青、金赤、青紫、黒、黄色、透明、緑、瑠璃色(青に近い)

同じ文様でも色が違うと印象が変わりますし、同じ色だとしても製法によって濃淡が異なるなど、奥が深いです。また、カットが難しいことで有名な「黒」は値段が高く、価格は色の違いの影響を大きく反映しています。

どの観点から見ても魅力がある江戸切子ですが、「色の違い」という点を中心にご紹介していきたいと思います。本記事が、江戸切子について知るきっかけ、またはご自分の好みに合う切子を探す一助にしてください。

> 江戸切子のページはこちらへ

「江戸切子」は、江戸切子協同組合の登録商標。東京都伝統工芸品産業指定、国の伝統的工芸品指定を受けています。

以下写真は江戸切子協同組合催事での展示です(掲載承諾済)。


なぜ江戸切子の色に値段の違いがあるのか?

最高級品|黒?赤?江戸切子で一番値段が高い色

最も値段が高いのは「黒色」でしょう。透明なガラスと合わせたモノトーンが魅力です。この色が持つシックな印象には「高級感」という言葉がしっくりきます。この色が高価なのはなぜでしょうか。その秘密は、切子の文様をカットする工程が関わってきます。

「黒」やそのほかの“濃い”色を持つガラスをカットするには、職人の技術・感覚が不可欠になります。あらかじめ書いておいたガイド線に沿ってカットしていくのですが、ガラスの色が濃いほどその線が見えづらくなります。

そのため、濃い色を仕上げる場合、ガイドの線以外にも、手の傾きかたや感触などのこれまでの経験を頼りにする必要があります。

充分な経験を積んだ職人にしかできない技術になりますので、その分希少価値が高くなります。希少価値が高くなれば相対的にそれ自体の値段も向上していく、ということです。



江戸切子で人気な色は何色?

”江戸切子”と言われて何色のグラスを思い浮かびますか?「瑠璃色」や「赤色」を頭に浮かべた方は、少なくないのではないでしょうか。

そうです。この2色が、江戸切子を代表する人気の色だと言ってもよいと思います。よく店頭にも並べられていたり、通販サイトでも頻繁に目にすることがあることから認知度が高いのではないでしょうか。

お祝いごとでペアで選ばれる事例が多いです。定番の色ですので、江戸切子を初めて購入される方が「まずは」ということで選ばれることが多いです。また、ペアグラスとして贈答用にも好まれています。

女性の方から人気があるのは、赤を薄めたピンクのような感じの「金赤」です。優しい印象を感じさせる色合いです。

一方で、緑や青紫、青、黒、黄色、白といったような少し珍しい色合いのものや、琥珀色と瑠璃色、琥珀色と緑色など異なる色同士がグラデーションになっているものにも注目と人気が集まっています。二つの色が重なっているものには「2色被せ」という手法が用いられています。酒器として日本酒のみならずウィスキーなどにもあうロックグラスは人気が高いです。

江戸切子には、さまざまな種類の色があることを見てきました。今挙げた色は代表的なものですが、同じ色でも文様によって印象が違う場合がありあす。「色」自体もガラス成形の方法や成分の調合によって少しずつ変わったりするので実際の色味の種類はもっと多様だと言えます。


日本の伝統的な色は何色?

「色」というのは、その土地の文化を大きく反映しています。そして「色」をどれだけ細かく分類しているかは、言語によって異なっています。日本の伝統的な色を知るということは、日本人の文化に触れることに繋がると言っても良いでしょう。

日本には、400種類以上の「色」があると言われています。四季があり、自然にも恵まれた環境で生きてきた人々は、日々移り変わる植物の色や天気の色に関心を向けてきました。

平安時代には、多様な色合いの着物を身につけるようになりました。植物が由来の色では、「浅葱(あさぎ)色」「唐紅(からくれない)」「萌黄(もえぎ)」などがよく知られています。また、階級ごとに「色」を区別することもありました。聖徳太子が定めた冠位十二階では、一番高貴な色は、「紫」でした。

さまざまな過程で細かく分類分けされていった「色」ですが、日本古来の色は「赤・青・白・黒」の4色であるという説もあります。代表的な根拠を3つご紹介します。

単体で形容詞として使える「色」がこの4色であるという点。「赤い・青い・白い・黒い」が成り立つ一方で「緑」い、や「紫」いといった言葉は存在しない。

色を表す言葉のうち、対になる表現がこの4色だけであるという点。「赤と青」「赤と白」「黒と白」。

「色の名前を重ねた副詞」があるのがこの4色だけという点。「赤々と」「青々と」「白々と」(しらじらと)「黒々と」。

このように「赤・青・白・黒」の4色は、さまざまな点で他の色とは異なる特別な点が見られることから日本古来の色がこの4色だという説があります。あなたはどう思われたでしょうか。

さて、江戸切子の中でも人気の色であった「瑠璃色」にはどのような背景があるでしょうか。瑠璃色とは、紫の色合いが濃い青色です。「瑠璃」というのは仏教世界の中心にある須弥山(しゅみさん)で産出される宝石で仏教の七宝の一つです。

その宝石にちなんだ色として瑠璃色も至上の色だと神聖視されてきました。産出地は西方アジアで、日本には、シルクロードを通り、中国を経て伝わりました。奈良時代に建てられた宝物殿である正倉院にはこの宝石がはめこまれた宝物が残されています。

平安初期には、「竹取物語」の一節に「金、しろかね、るりいろの水、山より流れたる」という記述が見られます。当時から美しい色の一つとして人々の間で知られていたことが分かります。

普段はあまり気に留めない「色」の歴史について立ち止まって考えてみることで、周りの色彩が少しだけ豊かに見えてくるかもしれません。

 

昔の切子は透明だった!?プロが語る切子の歴史

江戸切子には無色透明な「透きガラス」と、外側に色付きガラス、内側に透明やアンバ ーなどの素地のガラスの複数構造 になっている「色被せガラス」の2種類があります。

現在では「色被せガラス」を目にすることが多くなっていますが、昔の切子は「透きガラス」だったので「透明」でした。ガラスの色がないとあらためて江戸切子の文様の繊細さに魅せられることでしょう。

江戸切子の歴史は、1834(天保5)年江戸大伝馬町のびーどろ屋・加賀屋久兵衛が、英国製のカットグラスをまねて、金剛砂を用いて透明なガラスの表面に細工を施したのが始まりだとされています。技術は進化継続して磨かれ、1853(嘉永6)年、黒船来航の際にはペリーへの献上品の中に加賀屋の切子瓶があったという記録が残されいます。その瓶の見事さに彼が驚いたという話も残っています。

明治時代になると、政府の殖産興業政策の一環として、振興されるようになりました。近代的な品川硝子製造所が建設されたり、イギリスから切子(カット)指導者として英国人エマニュエル・ホープトマン氏が来日したりするなどして、カット技術は進歩し、ガラス器の普及が加速していきました。

大正時代になるとカットグラスに使われる素材の研究や、クリスタルガラスの研磨技法が開発されるなどして、江戸切子の品質はさらに向上していきます。このような経緯を経て、大正から昭和初期にかけて江戸切子の第一次全盛時代を迎えました。カットグラスは人気を博し、グラスや器、照明器具のセードなど多様な形で普及しています。

現代では、昭和60年に東京都の伝統工芸品産業に指定、平成14年には国の伝統的工芸品にも指定されました。これからも、江戸時代の商人が編み出した、美しいガラス工芸品、江戸切子は、人々の間で愛され続けていくでしょう。

 


江戸切子カットが難しい色は「黒」

濃い色の切子は職人の経験と勘でカット

「切子」という名の通り、江戸切子といえばカットされた伝統的文様が大きな特徴です。実は、ガラスの表面が濃い色であるほど、カットが難しくなります。そのため「黒」は、職人の技量が最も問われる色になります。

それでは、なぜ濃い色の切子はカットに技術を要するのでしょうか。そのことを説明するためにまずは江戸切子がどのようにして作られるのかを見ていきましょう。

江戸切子の製作過程は大きく分けて5段階です。
・はじめに「割り出し」という工程です。文様をカットする前のグラスに気泡や鉄粉などがないかを確認したのちに、目安となる線を入れていきます。

・次に「荒摺り」という工程で、デザインの大枠である太い線を、回転する円盤状ダイヤモンドホイールで、削っていきます。

・そのあとに「中摺り」という工程で、先ほどより細かいところをカットしていきます。

・それが終わると「石掛け」という工程に入ります。砥石で作られた円盤を回転させ、中摺り面を滑らかに整えます。この工程の良し悪しが、次の磨きの輝きを大きく左右します。

・最後に「磨き」という工程です。円盤状の木盤(桐)、コルク盤、ゴム盤などで、水分を持たせた細かい磨き砂をつけながら石掛け面を磨いていきます。仕上げに布製のバフ盤でバフ掛けすれば完成です。このような「手磨き」作業ではなく「酸磨き」をしている工房もあります。

 

記載の通り、前半工程でカットは、あらかじめベースとなるガラス生地に引かれた目安線に沿って行います。つまり、濃い色のガラスをカットする場合は、目安の線が透けにくいため、中心を取ったり、均等にカットしていくのが難しくなるということです。

また、目安の線が引かれるのは、カットするガラス生地の外側であるのに対し、職人が目安の線を確認するのは内側からになります。電灯で照らして覗きながらカットしますが、濃い色だと本当に線が見えづらくなります。そのため、仕上がりの美しさに、職人の腕や長年の経験によるところが大きくなります。これが「黒」がもっとも技術の問われる色と言われる所以です。

 

酸磨きと手磨きとの違い

製作工程の最終段階である「磨き」は、繊細な文様が魅力の江戸切子にとってとても重要な工程の一つです。この工程には、「酸磨き」と「手磨き」の2種類の手法があります。

「酸磨き」とは、ガラスの表面を硫酸など強力な酸に浸け、表面を溶かすことで磨いていく手法です。ただ、強い酸を用いるため表面のガラスが傷み、傷がつきやすくなってしまう場合もあります

一方、「手磨き」は、文字通り、職人の手作業で磨いていく手法のことです。この工程の中にもいくつかの工程があり、手間と時間がかかります。「磨き」の技術を習得するために一定期間の修行が必要とされています。


江戸切子の製造工程 | 色の付け方

切子グラスの種類

江戸硝子に切子(文様)を入れた製品を江戸切子と言います。現在、江戸硝子によく使われているガラス素材は大きく分けて2種類あります。

一つ目は「クリスタルガラス」です。透き通るような輝きと持った時の重厚感が特徴です。江戸切子以外では、バカラなどのガラス製品にも使用されています。指先で軽く弾いてみると、金属のような澄んだ音がするのが特徴です。

もう一つは「ソーダガラス」です。飲食店のコップや窓ガラスなどに使用される一般的な素材です。クリスタルガラスと比較すると、硬くて丈夫なことが特徴です。叩くとクリスタルガラスよりも低く濁ったような音が見分けるポイントです。


切子に使われているガラス加工の技術は「透きガラス」と「色被せガラス」の2通りあります。

「透きガラス」は初期からの江戸切子に多く見られる技術で、完成品には色がありません。この無色透明のガラス活用した切子(文様)には、繊細で洗練された印象があります。

「色被せガラス」は、江戸切子の発展とともに海外の技術が導入されたことで用いられるようになった技術です。透明なガラスに色付きのガラスを重ねることで製品に色を付けます。この技術によってさまざまな色合いの江戸切子が作られるようになり、その魅力は多様化していきました。

「色被せガラス」の手法についていくつかご紹介します。

一つ目は、はじめに型の中に色付きガラスを薄く吹き入れたのち、さらに透明のガラスを吹く方法です。

二つ目は、宙吹きの状態で、透明なガラスに薄く延ばした色付きガラスをさっと被せて型の中で膨らませる方法です。

三つ目は、色付きガラスを粉にしておいて、これを満遍なく透明なガラスに振りかけ、溶融させて表面に着色する方法です。

これらは、切子職人が手がけるガラスの表面をカットする工程の前段階に当たります。「江戸切子」の完成には、切子職人の他にも多くの職人の意匠が込められていることがわかりますね。


二色被せという特殊な色被せガラスを使った切子

二色被せという色被せガラスを使った切子をご覧になったことはありますか?透明なガラスの上に異なる二色のガラスがさらに被せられる手法のことです。通常の被せガラスに対して二つの色が重ねられているため、グラデーションが美しいことが特徴です。

下地の色には「琥珀色」が使われることが多いです。ちなみに、琥珀とは、太古の樹脂類が土中で石化した鉱物のことで透明感のある黄褐色をしています。天然では大変貴重な琥珀ですが、ガラスの成分の配合によって人工的に類似の色味を生み出すことができます。

三重のガラスに二重の色。二色被せのよさの一つは、通常の被せグラスよりも重ねるガラスが一色多いために、味わい深い雰囲気を醸し出すところだと言われています。

「二色被せ」のグラスで楽しむひとときは、普段とは違う重層的な喜びを感じられるかもしれません。

切子の色はどのようにして生み出されるのか

これまでさまざまな視点から江戸切子の「色」について見てきました。「瑠璃」や「銅赤」、「黒」など、多様で魅力的な色合いがありました。こうした「色」がどのようにして生み出されているのか、気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは「色被せガラス」の材料となるガラスについてご紹介いたします。江戸切子の「色」はガラスがさまざまな金属成分と化学反応を起こす過程でを生み出されています。「色」を外から塗ったりする工法ではありません。

主原料のソーダ灰に、発色性のある金属酸化物を混ぜ、2000℃ほどで溶解させます。金発色の仕方や加工のしやすさは、配合する成分の割合で決まるため、ガラス工房の腕の見せ所になります。

主な成分とその色はこのようになります。

赤色:「銅」「金」
セレニウム青色:「コバルト」「銅」
黒色:「コバルト」「マンガン」「鉄」
緑色:「銅」「クロム」「鉄」
黄色:「鉄」「セリウム」「チタン」「銀」
桃色:「マンガン」「セレニウム」「金」
紫色:「マンガン」「ニッケル」

などです。こうして成形を終えたガラス・グラスが江戸切子職人のもとに届けられ、5つの製作工程(上記記載の通り「割り出し」「荒削り」「中摺り」「石掛け」「磨き」)をたどるのです。

 写真は江戸切子協同組合催事での展示です(掲載承諾済)。


江戸切子の伝統的文様

江戸切子の文様にはいくつも種類がありますが、今回はその中でも代表的な伝統文様の10種類をご紹介します。

魚子紋(ななこもん)・菊つなぎ紋(きくつなぎもん)・菊花紋(きっかもん)・笹の葉紋(ささのはもん)・六角籠目紋(ろっかくかごめもん)・八角籠目紋(はっかくかごめもん)・七宝紋(しっぽうもん)・麻の葉紋(あさのはもん)・矢来紋(やらいもん)・亀甲紋(きっこうもん)の主な特徴と込められた意味を中心にまとめてみました。

・魚子紋は、江戸切子の中でも基本的な文様の一つで、魚の卵のように連なった細かなカットが特徴的です。江戸切子以外にも織物や金工品など、さまざまな日本の伝統工芸品に使われてきました。魚の卵が隙間なく並ぶ様子から、子孫繁栄の意味が込められています。ちなみに、“ななこ”から7月5日は「江戸切子の日」と定められています。

・菊つなぎ紋は菊の花が連なっているような文様が特徴です。非常に細かい線を連続させて彫らなくてはならないため、江戸切子の中でも難易度の高い文様だといわれています。菊は薬として使われてきたことから菊つなぎ紋には不老長寿の意味あいがあります。またこのほかにも一説には、きくを「喜久」と書いて「喜びを久しくつなぐ」という、意味も込められています。

・菊花紋は、江戸切子には小さい柄が連続する文様が多い中、一つだけで華やかに目を引くのが特徴です。グラスの底の部分にこの文様を大きく使ったものは「底菊」と呼ばれ、花が浮かんでいるようにも見えます。

・笹の葉紋は、菊花紋と同様、単独でも見栄えのする文様が特徴です。笹は根がとても広く張り、暑さ寒さにも強く、冬でも緑の葉のある植物です。そのため、笹は生命力の強さの象徴とされています。

・六角籠目紋は、竹を60度に交差させて作られた竹籠のような文様が特徴です。籠の文様は「籠目」と言い、一つひとつが「魔を見張る目」であるとして日本では古くから魔除けの意味合いがありました。

・八角籠目紋は、六角籠目紋と同じように籠の文様が特徴です。こちらは直線を45度に交差させているため、真ん中にできる図形は八角形です。1本1本の線の刻み方が細かく、手間と技術が必要とされることから、高級なものによく使われる文様です。六角籠目紋と同様、魔除けの意味が込められています。

・七宝紋は、円を4分の1ずつ重ねて作られる文様が特徴です。四方という音が転じて、仏教用語の七宝につながりました。円が重なって続くことから、円満・平和の意味が込められています。高い技術が必要な曲線が多用されていることも特徴です。

麻の葉紋は、日本の文様の中でも非常に伝統のある文様の一つです。麻がまっすぐにすくすくと育っていく性質を持つことから、成長を願う思いが込められています。

・矢来紋は、竹を交差して作られる囲いである「矢来」をイメージした文様が特徴です。外敵から防ぐ意味から、魔除けの意味があると言われています。シンプルで素朴な文様ですが、カットの深さによって印象が異なり、他の文様の引き立て役としても活躍します。

・亀甲紋は、亀の甲羅をモチーフにした六角形の文様が特徴です。またきっこうが転じて「吉向」という字になり吉に向かうという意味もあります。長寿吉兆を願う意味が込められています。

代表的な文様とその意味を紹介してきました。それぞれに願いや意味が込められている文様です。これらは、同じ文様でも線と線の幅や彫りの深さによって印象が大きく変わりますし、文様同士を組み合わせて用いることもあります。

さらに、伝統的な文様だけでなく、現在、活躍している職人の中には、新しいデザインも考案されている方々もいらっしゃいます。伝統的な文様と現代の職人のアイデアが融合することで生み出される、多様なデザインは、江戸切子の文化をより味わい深いものにしています。

一つご紹介しますと、山田硝子の切子に「細菊玉繋ぎ紋」という文様があります。グラスに艶を出す「磨き」の技術で刻まれた小さな玉のデザインが特徴です。細い線と小さな玉が連続する文様は「つながり」を表し、縁起がよいと言われています。

元々、ある文様を組み合わせて新しいデザインをつくる姿勢は、伝統を継承しながらも未来に向かって進歩していく様子を思わせてとても魅力があります。文様について知っていれば、江戸切子探しをするときの楽しみの最大のポイントでもあります。

 

 

切子グラスの扱い方

お取り扱い時の注意点

江戸切子は、繊細で個性豊かなガラスのカット面が特徴的です。長く活用するためには使用の際と洗浄の際に、いくつか注意が必要な点があります。

まず、使用時の注意点。
・もともと、ガラスは、傷つきやすい性質を持つ素材です。ガラス同士を直接当てないようにしてください。
・急激な温度変化により、割れたり欠けたりする場合があります。熱湯を注ぐと破損する恐れがあります。また、氷を入れる場合は、水を先に入れてようしてください。
・電子レンジ・オーブンなどには使用できません。
・直射日光があたる場所での長時間のご使用・保管はお控えください。火災の原因になる場合があるようです。

次に、洗浄時の注意点です。
・食器洗浄器では洗うことはできません。
・ガラスを傷つける恐れがあるため、研磨剤入りの洗剤や金属たわしなどで洗わないでください。食器用洗剤を溶かしたぬるま湯に浸し、やわらかいスポンジか布で丁寧に洗ってください。
・カット面はときどき、やわらかいブラシで軽く洗ってください。
・水垢やくもりを防ぐため、洗浄後はぬるめのお湯ですすいでください。仕上げに、やわらかく乾いた布で、水滴を拭き取ってください。

江戸切子の魅力でもある、職人技が詰まった繊細な文様が施された表面部分は、丁寧に扱う必要があり、普通のグラスと比べると少々手間がかかります。ただ、大切に扱えば、かけた時間とともに愛着が湧いてくるはずです。使う時も使い終わった後も、切子と豊かな時間を過ごすことができますように。

 


江戸切子を贈る、おすすめの品

江戸切子は、人生の節目である「栄転祝い・昇進祝い」や「還暦・長寿祝い」のプレゼントにおすすめです。さまざまな色や文様がありますので、その時々にぴったりのものが見つかるはずです。また、日本を代表する伝統的工芸品の一つですので、海外の方々へのお土産として贈ったら喜ばれるかと思います。

 

・栄転・昇進祝いにおすすめ

江戸切子 ロックグラス | hibana火華 | 琥珀・瑠璃 | haku硝子
江戸切子 オールドグラス | 漣 ミニ | 琥珀 グリーン | 山田硝子

・還暦・長寿祝いにおすすめ

江戸切子 グラス | 菱魚子文様 天開タンブラー |赤 | ミツワ硝子

・海外へのお土産におすすめ

江戸切子 ぐい呑み | 漣 | 瑠璃 | 山田硝子


いかがだったでしょうか?本記事では「色」を中心に、江戸切子の魅力について述べてきました。ほかにも江戸切子の伝統文様、製造過程、素材の種類、切子グラスそのものの色付けの方法などをご紹介してまいりました。

これらを背景に、「黒」や濃いめの色の切子グラスは職人の技量が問われるという点、そして難易度や工数が値段に反映されているということがご理解頂けるのではないでしょうか。江戸切子を選ぶときの参考情報として、もしくは伝統工芸への理解が深まっていただければ幸いです。

 

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