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記事: 【伝統工芸の旅】久留米絣「おしゃれもんぺ」のつくり手・野村織物へ(福岡県)

【伝統工芸の旅】久留米絣「おしゃれもんぺ」のつくり手・野村織物へ(福岡県)
#伝統工芸の旅

【伝統工芸の旅】久留米絣「おしゃれもんぺ」のつくり手・野村織物へ(福岡県)

全国各地に、その土地ならではの伝統工芸を受け継ぐ工房があり、職人の思いがあります。日本工芸堂の代表・バイヤーの松澤が作り手をたずねる「伝統工芸の旅」。
今回は、福岡県久留米市を中心に生産される「久留米絣」の製造元、野村織物さんの工房に伺いました。

そもそも久留米絣とは?

備後絣(びんごがすり)、伊予絣(いよがすり)と並んで、「日本三大絣」のひとつと呼ばれる久留米絣。福岡県久留米市を中心に、約200年間その技術は受け継がれ、国の重要無形文化財にも指定されています。

先染めの木綿である久留米絣は、完成までに約30にも及ぶ作業工程があります。「括り(くくり)」の工程や「織り」の工程を経て、独特の「かすれ」模様が生み出されます。
また「染め」の工程にも特徴があります。それは、「藍色」です。藍染めは久留米絣の代表的な色合いになります。 今もそのほとんどは手作業で行われており、その一つ一つの工程に熟練した経験と技を必要とします。

久留米絣「おしゃれもんぺ」が注目される野村織物

久留米絣は、その柄の美しさだけでなく、日常生活で使いやすいことも魅力です。いくつもの工程を経て生み出される織物は耐久性が高く、綿素材のため、夏は涼しく、冬は暖かいという特性があります。
古くから日常の着物や作業着として親しまれてきた久留米絣ですが、最近ではファッション感度が高い層を中心に再び注目を集めています。 

久留米絣 現代風もんぺ | グラデーション | 濃藍 S/M/L | 野村織物 

今回訪ねた野村織物さんは、明治31年創業。四代目・野村周太郎さんがその伝統を受け継ぎながら、「久留米かすりのある暮らし」の提案。巧みな技術からうまれる伝統模様と色合いが楽しめるもんぺを展開しています。
繊細な「織り」の技術に、独自の「染め」の技法が合わさった野村織物のもんぺは、全国からお問い合わせのある人気商品です。

 
久留米絣 現代風もんぺ | 花菱格子 | 濃紺 S/M/L | 野村織物

日本工芸堂バイヤー・松澤と野村織物との出会い

最初に出会ったのは2021年秋。公益社団法人福岡県物産振興会に招聘いただき、県内約100社の事業者向けに「工芸品ECサイト販売」というテーマで講演をしました。講演終了時にお話したのがきっかけです。野村社長ご夫婦ともとても熱心にオンラインビジネスの可能性に取り組まれていたのが印象的でした。
そして、今年2022年、福岡県伝統的工芸品商談会で再びお会いできたことがきっかけで、今回の工房訪問をさせていただくことになりました。

野村織物の4代目野村社長ご夫妻と、日本工芸堂代表・松澤斉之(中央)

九州・福岡県のその他の伝統工芸

■博多織

福岡市博多区を特産とする絹織物で、日本三大織物のひとつ。770年以上もの歴史を持ち、1976年に国の伝統的工芸品に指定されています。たくさんの細い経糸と太い緯糸を強く打ち込む独特の技法から、「しなやかさと丈夫さ」をあわせ持ち、古くから主に着物の帯として愛されてきました。帯を締める時に鳴る「キュッキュッ」という独特の音は「絹鳴り」と呼ばれ、博多帯の特徴とされています。


■博多人形

400年以上の歴史を持つ、国指定の伝統的工芸品。素焼き粘土を素材とし、日本画で用いられる「胡粉」「泥絵の具」「岩絵の具」などで彩色を施した素焼き人形です。繊細な曲線美で表したポーズ、ふとした瞬間を捉えた美しい表情が特徴。バラエティ豊かなジャンルがあり、「歌舞伎もの」「能もの」「美人もの」「童もの」などに分類されます。着物の柄の細部まで丁寧に彩色が施されていることも見る人の心を惹きつける理由のひとつです。

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