
有田焼セラフィルターとは?使い方・お手入れと陶器フィルターの選び方
紙フィルターを使わずにコーヒーを淹れられる、有田焼のコーヒーフィルター「セラフィルター」。陶器ならではの質感と、多孔質の構造を生かした抽出で、豆本来のまろやかな味わいを楽しめるコーヒー道具です。
「王様のブランチ(TBS)」「世界一受けたい授業(日テレ)」などのテレビ番組で紹介されたこともあり、陶器製コーヒーフィルターやセラミックフィルターを探している方からも注目されています。この記事では、有田焼セラフィルターの特徴、紙フィルターとの違い、使い方、目詰まりを防ぐお手入れ方法、スタッフが実際に使った感想を紹介します。
目次
有田焼セラフィルターとは
佐賀県有田町で作られる歴史のある磁器が有田焼です。その伝統技法が用いられた有田焼のコーヒーフィルター「セラフィルター」は、「世界一受けたい授業」でも紹介された、紙フィルター不要の陶器製コーヒーフィルターです。
複数の独自配合の原料にこだわり抜いた地元・有田の井戸水を加えながら土を作ります。その後の成形は職人の熟練の技によって1つ1つ手作りで細かい調整がなされます。
一般的な有田焼は900℃の温度で4〜5時間素焼きをした後、1300℃で16時間本焼きを行います。一方、セラフィルターは1,230℃の窯で30時間かけて素焼きのみを行うことで、強度を保ちながら水を通す構造が生まれます。
一般的な有田焼は、成形後に釉薬(うわぐすり)を塗ることで完成します。釉薬が焼かれるとガラス質の層ができ、水の浸透を防ぎます。セラフィルターではこの釉薬を塗らないことで、液体を通す特性を活かした構造を実現しています。

日本・米国で特許を取得した有田焼セラフィルター
有田焼セラミックフィルターは、日本および米国で特許を取得しています。特許の名称は「飲料用セラミックフィルタ及び該飲料用セラミックフィルタの製造方法」で、微細な孔を持つ飲料用セラミックフィルターに関する技術です。
- 日本における特許番号:第6431175号
- 米国における特許番号:No.10,549,225 B2
この技術により、紙フィルターでは抽出しにくいコーヒー豆本来の成分を引き出し、まろやかな味わいを楽しめるとされています。成形の段階で職人が細かく調整を行うことで、この構造が生まれます。
紙のコーヒーフィルター不要のエコ商品(ゴミゼロ)
ほとんどの方がコーヒーを淹れる時に紙製のフィルターを使用していると思います。1日一杯飲んだとしても年間で365杯、それ以上飲む人はさらに紙製のコーヒーフィルターを消費することになります。毎回ゴミが出てしまうのは、環境にあまり良くありません。
日本の伝統工芸品はもともと自然にやさしく長く使えるサステナブルなものが多くあります。有田焼のセラフィルターもその一つで、紙フィルターは一度きりの使い捨てですが、セラフィルターは紙・布フィルターは必要ありません。きちんとお手入れをすることで長く使うことができます。紙フィルターを使い捨てにしないという点でも、日々のコーヒー時間に取り入れやすい道具です。
世界一のバリスタが愛用する「味が変わるフィルター」
「World Brewers Cup2016」で優勝した粕谷哲氏も愛用していることで知られるセラフィルター。紙フィルターとは異なる構造により、コーヒー豆の成分の抽出の仕方が変わり、味わいに違いが出ると言われています。
多孔質の構造を持つセラフィルターは、紙製フィルターとは異なる経路でコーヒーを抽出します。これにより、豆本来の風味をより感じやすくなるとされています。
> 関連記事:陶器・漆器のコーヒーカップでコーヒーが美味しくなる理由と選び方
陶器・セラミック製フィルターを比較して選ぶなら
陶器やセラミック製のコーヒーフィルターには、有田焼セラフィルター以外にも選択肢があります。日本工芸堂では、長崎県波佐見町の燦セラによる波佐見焼セラミックコーヒーフィルターも取り扱っています。
どちらが優れているというよりも、使う場面、デザインの好み、ギフトとしての見え方で選ぶのがおすすめです。両者とも、使用後のお手入れをしながら長く使える、陶器・セラミック製のコーヒー道具です。
| 有田焼セラフィルター | 燦セラ セラミックコーヒーフィルター | |
|---|---|---|
| 産地 | 佐賀県・有田焼 | 長崎県・波佐見焼 |
| 特徴 | 日本・米国で特許を取得した技術を用いた陶器製フィルター。微細な孔を持ち、紙フィルターを使わずにコーヒーを淹れられます。 | 多孔質セラミック技術を活かしたフィルター。富士山、ekubo、ekubo one dripなど形・色の展開が豊富。 |
| 印象 | 落ち着いた工芸感、ギフト感、セットで揃えやすい | 色・形の展開が豊富で、日常使いしやすい |
| おすすめ | 初めて使う方、贈り物として選びたい方 | 色や形を選びたい方、1杯分を手軽に淹れたい方 |
| 注意点 | 使用後のお手入れ、定期的な目詰まり対策が必要 | 同じく使用後のお手入れが必要 |
落ち着いた工芸品らしさやギフト感で選ぶなら有田焼セラフィルター、色や形のバリエーションを楽しみながら日常使いしたい方には燦セラのセラミックコーヒーフィルターもおすすめです。どちらも、使用後のお手入れをしながら長く使う陶器・セラミック製のコーヒー道具です。
目詰まり対策!有田焼のコーヒーフィルターのお手入れ方法
紙のコーヒーフィルターとは違って繰り返し使うことができるセラフィルター。日々の使用によって目詰まりを起こしてしまうことがありますが、これはコーヒーかすとコーヒーオイルによるものです。
コーヒーかすは水洗いである程度落とすことができますが、コーヒーオイルは油脂分なので目詰まりの原因となってしまいます。定期的にお手入れをすることで目詰まりが取れ、長い間ご使用いただけます。
日常のお手入れ方法
日々のコーヒータイムにセラフィルターを使用した際のお手入れは次のとおりです。
① セラフィルター内のコーヒーかすを早めに捨てる。
※コーヒーかすが乾燥すると取りにくくなります。
② セラフィルターを水洗いして、中に残ったコーヒーかすを洗い流す。
※タワシやスポンジを使うと劣化してしまいます。洗剤も使用しない方がよいでしょう。
③ セラフィルターにお湯を入れて、色が出なくなるまでコーヒーオイルを落とし切る。
④ 自然乾燥でしっかりと乾かしてから保管する。
コーヒーオイルは油脂分なので、使うたびにお湯でしっかり落とし切ることが大切です。
もう少ししっかり洗いたいときは、以下の方法も試してみてください。
① 沸騰させたお湯にスプーン3杯ほどの重曹を入れる。
② セラフィルターを10〜15分ほど煮込む。
③ しっかり乾燥させる。
これにより、セラフィルター内に蓄積されたコーヒーかすや汚れを落とすことができます。
1年に1度の大切なお手入れ
どんなに定期的にお手入れをしていても、徐々に目詰まりを起こし流量が少なくなってしまうことがあります。そんな時は、セラフィルターをリセットするお手入れをしてみましょう。
- ガスコンロに網をしき、セラフィルターを15〜20分ほど焼く。
- オーブンで15〜30分ほど焼く。
濡れた状態で焼成すると割れてしまう可能性があるので、乾燥させた状態で行なってください。焼成後は温度がとても高いので冷ましてから取り出しましょう。急激な温度変化(水につけるなど)があると割れる恐れがあるので、自然に冷ましてください。
焼成することで、細かな詰まりを解消できます。流量が減ってきたと感じたら、一度試してみてください。(上記掲載動画後半にメンテナンス方法が説明されています。ご参考ください)
有田焼のコーヒーフィルターの使い方
有田焼のコーヒーフィルターは、コーヒー以外にも使用することができます。水やお茶、ワインなどにも使えると紹介されており、飲み物の種類を変えて楽しむことができます。メーカー資料では、セラフィルターを通すことで水のにおいがやわらぎ、口当たりがまろやかに感じられる場合があるとされています。飲み物の種類を変えて使う場合は、においや色移りを防ぐため、使用後のお手入れを丁寧に行うことが大切です。
陶器でコーヒーを淹れる魅力!実際の使い方
セラフィルターでコーヒーを淹れるのは、紙製や布製のフィルターを使う時とほとんど変わりません。
準備するもの
- マグカップ
- セラフィルター
- フィルター受け
直接豆をセラフィルターに入れることができるので、紙フィルターも布フィルターも必要ありません。豆は細かく挽きすぎると、フィルターの穴から流れてしまうので粗挽きがおすすめです。
コーヒーの淹れ方
① マグカップにセラフィルターをセットする。
② 豆がフィルター内で傾かないように均一に入れる。
③ 全体的に豆をお湯で湿らせ、20秒ほど蒸らす。
④ ゆっくりお湯を注ぐ。
コーヒーを淹れる前に、セラフィルターにお湯を通してマグカップを温めておくと、より一層美味しくお召し上がりいただけます。片付けの際は、セラフィルターが熱くなっているので火傷にご注意ください。
お水やワイン、お茶にも使える
水やお茶、ワインなどにも使えると紹介されているセラフィルター。ワインでは、デキャンタージュに近い効果が得られるとされており、口当たりがやわらかくなる場合があります。

お茶でもセラフィルターをお使いいただけます。急須を用意しなくても、1人分から手軽に淹れることができます。小さい茶葉はセラフィルターを通り抜けてしまうので大きめな茶葉を使用するとよいでしょう。茶葉をお湯で湿らせ少し蒸らしてからお湯を注ぐと、茶葉の風味を楽しむことができます。

スタッフが実際に使ったセラフィルターの感想
日本工芸堂スタッフ・廣田が、実際にセラフィルターを使った感想と使い方のポイントをご紹介します。
Staff Review / 日本工芸堂スタッフ 廣田
実際にセラフィルターを使ってみて、まず感じたのはコーヒーの口当たりの変化です。紙フィルターで淹れた時と比べて、口当たりがやわらかく、味に丸みが出るように感じました。
お手入れは、使用後できるだけ早く水洗いするのがポイント。最後にお湯を全体にかけて、コーヒーやワインなどの色が出なくなればOKです。しっかり自然乾燥させれば、長く使い続けられます。
コーヒー好きの方はもちろん、よりおいしいお酒やお茶を楽しみたい方へのギフトにもぴったりです。使い方とお手入れ方法を動画でも詳しくご紹介しています。あわせてご覧ください。
おすすめのセラフィルターセット
初めてセラフィルターを使う方には、スターター3点セットがおすすめです。セラフィルター、フィルターの受け皿、ホルダーがセットになっており、届いてすぐに使い始めることができます。
有田焼 コーヒーフィルター|セラフィルター3点セット|39Arita|THREERIVERS
¥4,950[税込]
>商品ページはこちら
贈り物をお探しの方には、木箱入りのプレミアムセットがおすすめです。おしゃれな木箱をそのままコーヒードリッパー台として使うことができ、コーヒー好きの方へのギフトとして喜ばれます。
有田焼 コーヒーフィルター|プレミアム木箱入りセラフィルターセット|39Arita|THREERIVERS
¥8,250[税込]
>商品ページはこちら
有田焼のセラフィルターで、毎日のコーヒータイムをより豊かにしてみてはいかがでしょうか。
セラミックコーヒーフィルターのよくある質問
セラミックコーヒーフィルターは目詰まりしますか?
はい、使い続けるうちに目詰まりすることがあります。主な原因は、コーヒーかすやコーヒーオイルがフィルターの細かな孔に残るためです。使用後はできるだけ早くコーヒーかすを捨て、水洗いとお湯通しを行い、しっかり乾燥させることで目詰まりを防ぎやすくなります。
セラミックコーヒーフィルターの手入れ方法は?
使用後は、コーヒーかすを早めに捨て、水で洗い流したあと、お湯を通してコーヒーオイルを落とします。その後、自然乾燥でしっかり乾かしてから保管してください。流れが悪くなってきた場合は、重曹を入れたお湯で煮沸する方法や、十分に乾燥させたうえで焼成するメンテナンス方法もあります。
紙フィルターと味は変わりますか?
はい、味わいに違いを感じる場合があります。セラミックコーヒーフィルターは紙フィルターを使わず、多孔質の陶器・セラミックを通して抽出するため、コーヒー豆本来の風味やまろやかな口当たりを楽しみやすいとされています。紙のにおいが気にならず、コーヒーの個性を感じたい方にもおすすめです。
セラミックフィルターのデメリットは?
紙フィルターのように使い捨てではないため、使用後のお手入れが必要です。また、コーヒーオイルや細かな粉が残ると目詰まりしやすくなるため、こまめな洗浄と乾燥が大切です。落とすと割れる可能性もあるため、陶器の器と同じように丁寧に扱う必要があります。
コーヒー以外にも使えますか?
はい、水やお茶、ワインなどにも使えると紹介されています。水は口当たりがやわらかく感じられる場合があり、お茶やワインでも味わいの変化を楽しめます。ただし、飲み物のにおいや色が残らないよう、使用後は丁寧に洗い、しっかり乾燥させてから保管してください。
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