
長く使いたい、曲げわっぱの使い方とお手入れ
シンプルな素材感で人気の曲げわっぱのお弁当。おかずが美味しそうに見えるという話もあり、使ってみたいと思っている人も多いですよね。ですが、お手入れが面倒と諦めていませんか?
確かに使い方やお手入れの方法にはコツが必要です。ですが、コツさえわかってしまえば意外と短時間のお手入れで大丈夫。今回は曲げわっぱの使い方、お手入れ方法をご説明します。
まず覚えておきたい基本のお手入れ
- 使ったあとは、なるべく早めに洗う
- 長時間の浸け置きは避ける
- 洗った後は水分を拭きしっかり乾燥させる
- 食器洗い乾燥機・電子レンジは基本的に使わない
塗装によって細かなお手入れ方法は異なりますが、この4点を押さえておくと扱いやすくなります。
曲げわっぱの素材について
お手入れ方法を知る前に、まずは曲げわっぱについて少しだけ知っておきましょう。お手入れに悩んだときは、ヒントになるかもしれません。

天然の木100%でできた曲げわっぱ
曲げわっぱとは、生の木板を、特殊な技法で曲線に曲げて、継ぎ目を山桜の皮で綴じ、底をつけた器のこと。縄文・弥生時代に曲げわっぱのような器が使われていた形跡があり、古くから日本に伝わる伝統工芸品のひとつです。お弁当箱をはじめとして、菓子器、茶器、ひしゃく、おひつなどさまざまな曲げわっぱがあります。
日本各地でつくられている曲げわっぱの素材は、100%天然の木。スギやヒバ、ヒノキなど地域によって木材の種類は異なるものの、地元の木材を活かしてつくられています。そのため、プラスチックのお弁当箱とは、異なるお手入れが必要です。
現在、曲げわっぱのお弁当箱には、主に3種類あります。それぞれのお手入れの方法などが異なります。
①一番素朴な生木を曲げただけの白木のもの、
②白木に漆を塗った少し高級なもの、
③お手入れをしやすいようプラスチックの素材であるウレタン塗装をしたものなどがあります。
それぞれのお手入れの仕方は、後ほど説明していきます。
はじめて曲げわっぱを手にしたとき
はじめて曲げわっぱを手にしたときは、まずは洗うことからはじめましょう。天然の木からできているため、未使用の曲げわっぱは木特有の香りや色素があり、そのまま使うとおかずやごはんに香りや色素がうつることがあります。
木特有の香りや色素は、使ううちに気になりにくくなることがありますが、どうしても気になるときは、使う前に2~3回、70度くらいのお湯を張って捨てるということを繰り返しましょう。
また、木の香りが気になるときは、緑茶を淹れて短時間浸けるという方法もあります。ただし長く浸けすぎると、お茶の色が付くことがありますので気をつけてください。
その後、蓋と容器部分を別々にして、しっかり乾燥させれば、使用できるようになります。

曲げわっぱの種類に合わせたお手入れ方法
市販されている曲げわっぱの多くは、白木、ウレタン樹脂塗装、漆塗りのいずれかです。どれも食器洗い乾燥機は使えず、手洗いが基本です。ここではこの3つの曲げわっぱの特徴とお手入れ方法についてご説明しましょう。
白木・漆塗り・ウレタン塗装の違いを先に知りたい方へ
仕上げによる特徴やメリット・デメリットは、こちらの記事で比較しています。
▶ 無塗装・漆・ウレタンの違いを見る
白木の曲げわっぱは乾燥が大切
白木の曲げわっぱは、表面に何も塗らない(無塗装)木そのままの曲げわっぱです。木の木目やよい香りを楽しむことができる、最も曲げわっぱらしいものを指します。無塗装なので木が水分を吸放出しやすく、時間が経ってもごはんがべたつきにくいのが特徴です。また、ヒノキなどの木材には抗菌性を示す成分が含まれるとされています。ただし、食品の保存性を保証するものではないため、一般的なお弁当と同様に十分に冷ましてから蓋を閉め、早めに食べることが大切です。
白木の曲げわっぱのお手入れ方法は、まずはやわらかいスポンジなどを使って手洗いすることです。汚れが気になる場合でも、長時間の浸け置きは避けましょう。洗剤やクレンザーの使用可否は商品や工房によって異なるため、購入時のお手入れ方法を確認してから使うのがおすすめです。
洗い終わったら布で拭いて、一晩しっかりと乾燥させましょう。上向きもしくは立てかけるようにして、水蒸気がしっかりと逃げるようにすることが大切です。
お手入れ簡単 初心者ならウレタン樹脂塗装のわっぱ
木の表面にウレタン樹脂を塗ったウレタン塗装の曲げわっぱは、プラスチックのお弁当箱が全盛の時代に、プラスチックと同じような使いやすさを求めて作られたものです。そのため、白木や漆塗りの曲げわっぱに比べてお手入れは簡単。曲げわっぱの生産は大きく落ち込んだ時期もありましたが、ウレタン樹脂塗装を取り入れてからは、売り上げが回復しました。
見た目も艶やかで見栄えがし、汚れにくく、洗い方も簡単なウレタン樹脂塗装の曲げわっぱ。比較的値段も安いので、曲げわっぱ初心者におすすめです。洗い方は洗剤をスポンジにつけて洗うだけでOKです。
ただし、白木に比べると、木そのものの吸湿性や素材感は感じにくくなります。
漆塗りの曲げわっぱ
漆塗りの曲げわっぱは、油ものを入れても白木よりも染み込みにくく、汚れにくいのが特徴。漆の艶も美しく、漆を施すことで表面が保護され、油汚れなどが染み込みにくくなります。天然漆を使ったお弁当箱は、木の呼吸を妨げないので、冷めてもごはんが美味しくいただけます。
お手入れ方法は、やわらかいスポンジに洗剤をつけて洗い、お湯をかけるのが基本です。次にやわらかい布で拭いて湿気をとって終了。漆器と同じ感覚でお手入れしてください。
3つの曲げわっぱの中で最も高価な漆塗りの曲げわっぱですが、漆を塗ることでさらに丈夫になり、漆が取れても塗り直ししてくれるところもありますので、大切にお手入れすればずっと長く付き合うことができます。
お手入れの基本は共通です
白木・ウレタン塗装・漆塗りのいずれも、洗ったあとは水分を残さず、風通しのよい場所でしっかり乾燥させることが長く使うポイントです。
バランスのよいお弁当の詰め方
ウレタン樹脂塗装や漆塗りの曲げわっぱは、それほどごはん、おかずに詰め方に気を使う必要はありませんが、白木のわっぱにはちょっとだけコツが必要です。ここでは、白木の曲げわっぱのお弁当の詰め方についてご説明します。

ごはんが冷えるまで待つのがポイント
白木の曲げわっぱにごはんを詰めるコツは、お弁当箱が乾燥した状態で詰めることと、ごはんが冷めるまで待つことの2つです。
まず、しっかり乾かしたお弁当箱に温かいごはんを詰めます。詰めたらごはんが冷めるまで、蓋を開けたまましばらく放置。蓋を閉めてしまうと水蒸気がつき、カビが発生しやすくなりますのでそのまま置いておきましょう。
だいたいご飯の温度が室温と同じくらいになったら、おかずを詰めても大丈夫です。
油っぽいおかずや煮物を詰めるときは
生木そのままの白木の曲げわっぱは、油や煮物の汁などが染み込みやすく、そのままおかずを詰めてしまうとシミになってしまうことがあります。詰める前に油っぽいおかず、煮物などは、キッチンペーパーなどで油分や水分を取っておくことをおすすめします。また、下に葉物などを敷いて、おかずが木の表面に直接付かないようにしてもよいでしょう。
おかずは、メインの大きいものから、中、小と段々小さなものを詰めていくときれいに詰められます。赤・緑・黄・黒・白のおかずをバランスよく入れると、彩りも美しく、栄養価に富んだお弁当となります。
おかずの臭いやカビがついてしまったときは
白木の曲げわっぱは、使用後の乾燥が不十分だと、臭いや黒ずみ、カビの原因になることがあります。洗ったあとは十分に乾かしてから使用しましょう。毎日曲げわっぱのお弁当箱を使いたい場合は、複数のお弁当箱を交互に使い、しっかり乾燥させる時間を確保する方法もあります。
おかずの臭いが気になる場合は、まずやさしく洗って十分に乾燥させてみましょう。お手入れ方法は商品や工房によって異なるため、臭いが残る場合は、購入元が案内している方法を確認するのがおすすめです。
また、カビが見られる場合は、無理に使い続けず、まず購入した工房や作り手にお手入れ方法や使用可否を確認しましょう。表面の状態や塗装によって適した対処方法が異なるため、自己判断で強くこすったり、長時間お湯に浸けたりするのは避けた方が安心です。
それでも臭いやカビが気になるときは、購入した工房に相談してみましょう。修理してくれたり、プロならではのお手入れをアドバイスしてくれたりします。
いつもの食事がちょっと豪華に見える曲げわっぱ

曲げわっぱのお弁当は、シンプルな木目がおかずを美味しそうに見せてくれます。また、深みがあることから、立体的に見えて豪華に見えるというメリットも。毎日、料理を詰めているうちに「次は何を詰めようかな」と楽しくなるに違いありません。
ぜひ自分に合った曲げわっぱを使って、お弁当づくりの時間を楽しいものにしてください。
これから曲げわっぱを選ぶ方へ
塗装やサイズ、用途などを含めた選び方は、こちらの記事でまとめています。
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