江戸硝子

東京

江戸硝子とは

江戸硝子とは、旧江戸地域（現在の東京）で発展した技術を受け継ぎ、ひとつひとつ手作りで製造されるガラス製品のことです。その起源は18世紀はじめの江戸時代にあり、現在の東京・日本橋や浅草で鏡や風鈴などの日用品が作られたことに始まると言われています。明治時代にはヨーロッパの技術が取り入れられ、製法が近代化されるとともに、東京を代表する地場産業として発展しました。

職人の手で生み出される江戸硝子は、工業製品にはない独特の風合いを持ち、受け継がれた高度な技術は、現在も国内外で高い評価を受けています。

江戸硝子と江戸切子の違い

江戸のガラス工芸といえば「江戸切子」が有名です。「江戸硝子」はガラスそのものを指すのに対し、「江戸切子」は、そのガラスにカットなどの装飾を施す独自の加工法、または加工された製品のことを意味しています。つまり、「江戸硝子」に切子加工を加えたものが「江戸切子」と呼ばれます。

江戸硝子の3つの技法

江戸硝子は、「宙吹き」「型吹き」「押し型」という3つの製法で作られます。

・「宙吹き」は型を使わず、吹き竿にガラス種を巻き取って、中空で息を吹き込みながら成形する方法です。自由度が高い反面、職人の熟練した技術が求められます。

・「型吹き」は、吹き竿に巻き取ったガラス種を型に差し込み、息を吹き込んで成形する方法で、均一な形を作ることができます。

・「押し型」は、型にガラス種を流し込んで成形する方法で、安定した厚みや形を出せるのが特徴です。

いずれの方法も高度な職人技が欠かせません。江戸時代から受け継がれる基本的な原材料を使いながら、薄く透き通る美しいガラスの世界を、今もなお作り続けています。

江戸硝子のブランド一覧

田島硝子 ／ 東京都江戸川区

創業は1956年。多くの職人を抱え、さまざまなガラス製品を作り続けてきた江戸硝子を代表する工房。江戸硝子と江戸切子の伝統技法を継承し、革新的な品々を提案し続けています。
＞田島硝子ページへ

廣田硝子 ／ 東京都

明治32年創業の東京で歴史あるガラスメーカー。創業より社に伝わる貴重なデザイン資料を元に、職人の手仕事による伝統的製造を継承。現代のインテリアに調和する江戸切子や吹き硝子などのプロダクトを作り続けています。
＞廣田硝子ページへ