
大島東太郎商店は、日本一の木工轆轤(ろくろ)の産地として知られる石川県・山中温泉で、1909年の創業以来、山中漆器の製造を続けてきました。450年の歴史を持つ産地の「完全分業制」の中で、木地師として培った確かな技術を活かし、数々の器を生み出しています。
同社が大切にしているのは、単なる格式や飾りではなく、日常に寄り添い「普段着の器」として愛される漆器づくりです。伝統に裏打ちされたろくろ挽きの技と、現代の暮らしに溶け込む柔軟な発想を融合させることで、新しい魅力を持つ器を次々と生み出しています。
目指すのは、ただ美しいだけの工芸品ではありません。手に取った瞬間の心地よさや、食卓に並んだときの喜びを大切にし、人と人との語らいに温かみを添える器です。大島東太郎商店は、山中漆器を通じて暮らしに豊かな時間をもたらし、伝統技術の素晴らしさを広く伝え続けています。