美山窯

【九谷焼】

九谷焼を暮らしの中へ、美山窯のこだわり

美山窯（びざんがま）は、明治後期に九谷焼の絵付窯として誕生しました。以来、360年の伝統を受け継ぎながら、時代に寄り添う器づくりを続けています。食卓を彩る普段使いの器として、また特別な日の華やぎを演出する器として、美山窯の九谷焼は暮らしに自然と溶け込み、使うたびにその美しさを実感できます。

美山窯の作品は、九谷焼の特徴である「九谷五彩」を基調とし、鮮やかで力強い色彩が魅力です。料理を引き立て、食卓を華やかに彩るそのデザインは、飾るだけでなく、日常の中でこそ楽しんでいただきたいもの。さらに、北斎やゴッホの作品をモチーフにしたシリーズなど、アートとの融合にも挑戦し、九谷焼の新たな可能性を広げています。

種類豊富で、その多くが熟練の職人による手塗りで仕上げられているのが特徴です。気温や湿度に応じて「和絵の具」を丁寧に調整しながら、ひとつひとつの図案に筆で色をのせ、丹念に絵付けを施していきます。絵具の厚みや、窯の温度、窯内での位置によっても焼き上がりの様子が微妙に異なるため、まったく同じものは存在しません。焼き上がった器の表面を指でなぞると、絵柄の部分にわずかな凹凸を感じることができます。これこそが、手仕事の温かみであり、美山窯ならではの味わいです。

すべての絵付けは、石川県能美市の工房で行われています。伝統技法を受け継ぎながらも、より高い品質を追求し、確かな技術と信頼のもとに美山窯の九谷焼は生み出されています。その鮮やかな色彩と繊細な筆遣いが、多くの食卓を華やかに彩っています。

美山窯の歩みは、明治後期にまで遡ります。曽祖父・作次郎が九谷焼の絵付職人となり、昭和初期には祖父・政次が個人で上絵窯を構え、「美山」の名を冠しました。昭和63年には有限会社藤田美山を設立し、受け継いだ技術を大切にしながらも、新しい表現への挑戦を続けています。

美山窯は、これからも九谷焼の魅力を未来へとつなげていきます。手仕事の温もりと色鮮やかな美しさを、日々の暮らしの中でぜひお楽しみください。

Buyer's Voice　代表・松澤斉之より

美山窯との出会いは、私にとって非常に印象深いものでした。その作品には、手仕事ならではの温かみと優れたデザイン性があり、どれも心に響きます。特に動物をモチーフにした縁起物のデザインは、見ているだけで微笑んでしまうほど愛らしく、これらの作品をお客様に届けたいという気持ちが自然と湧いてきました。

鮮やかな「九谷五彩」を基調に、伝統を守りつつ現代的なデザインやアートとの融合を試みている点も印象的です。例えば、ゴッホの作品を九谷焼で再現した「九谷五歩」は、焼き物の枠を超えて新たな表現に挑戦しており、その技術向上を感じさせます。

作品は手塗りで仕上げられ、一つひとつ微妙に異なる焼き上がりを見せます。焼き物の表面を触れると絵柄にわずかな凹凸を感じ、その温かみが伝わってきます。この繊細な技術が、他にはない魅力を生み出しています。

さらに、海外展示会に出展した際には、日本の工芸品として高く評価されました。今後の海外展開にも大きな関心を持ち、そのサポートができることを嬉しく思います。これからも進化を続け、新たな挑戦を通じて魅力を増していくことでしょう。