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駿河和染

静岡県

駿河和染は、静岡県静岡市で受け継がれてきた染色工芸です。古くから織物や染物が盛んだった静岡では、今川時代には染色業が発達し、江戸時代になると武家の幟(のぼり)や旗差物、町家ののれん、仕事着、祝い事に使う風呂敷など、さまざまな布製品が染められてきました。

明治時代には機械染色の登場や他産地との競争によって染物職人の仕事が減少しましたが、大正後期の民芸運動をきっかけに、伝統的な染色技術と新しい意匠が結びつき、独自の発展を遂げました。1980年には静岡県知事指定の郷土工芸品となり、現在もその技術が受け継がれています。

駿河和染の特徴は、染められた部分と生地の白が生み出す、鮮やかなコントラストにあります。藍色と白の対比をはじめ、素朴で力強い文様や、繊細な色彩表現など、多彩な表情が楽しめます。

代表的な技法には、藍の染料を用いる「藍染」、型紙を使って文様を染め出す「型染」、防染糊で模様を描く「筒描き」などがあります。さらに、蝋纈染や草木染、茶染なども用いられ、職人たちは受け継いだ技術を生かしながら、新しい表現にも取り組んでいます。

かつて幟やのれん、仕事着などに用いられてきた染色技術は、現在では風呂敷やストール、テーブルセンター、壁掛け、染色雑貨など、暮らしに寄り添う品々へと広がっています。和室にも洋室にもなじむ色彩や文様は、日常の空間にさりげない彩りを添えてくれます。

長い歴史のなかで培われた技術と、現代の感性が息づく駿河和染。その豊かな色彩と文様の魅力をご紹介します。

 

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