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玻璃匠山田硝子

【江戸切子】

玻璃匠 山田硝子

繊細な直線、柔らかな曲線。世界へ

伝統的工芸品にも指定されている江戸切子には、さまざまな特徴を持つ多くの工房が存在します。そのひとつが、墨田区に工房を構える「玻璃匠 山田硝子」です。三代にわたり、80年以上続く江戸切子の工房。

その魅力は、繊細な直線と柔らかな曲線を組み合わせて描き出す、オリジナルのデザインにあります。さらに、ガラス表面を薄く削る花切子の技法を取り入れ、伝統紋様に新たな感性を加えた独自の紋様の江戸切子や、日本を象徴する桜や富士山を描いたグラスなどを、世界に向けて発信しています。

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江戸切子と花切子、二つの技術をもつ“玻璃匠”

山田硝子の特徴である切子と花切子の技法。その原点にあるのは、明治時代にカットガラスの技術をイギリスから伝えたカット技法の職人、エマヌエル・ホープトマンでした。彼が教えたのは、研磨用の回転盤にガラスを押し当てて、繊細で優美な模様を彫刻するグラヴィール技法です。この技術をホープトマンに学んだ一人が、80年の歴史を持つ山田硝子のルーツである山田栄太郎氏。受け継いだ技法にヒントを得て生まれたのが、山田硝子の特徴の一つにもなっている花切子の技法です。

花切子の特徴は、ガラスの表面をごく浅く削る技法で、柔らかな曲線で草花や風景を描き出すのに長けています。「山田硝子は、江戸切子と花切子、両方の技術を駆使する職人を有した数少ない工房」と話すのは、三代目の真照氏です。二つの技法を合わせた江戸切子は、大胆さと繊細さ、直線と曲線が混在する独特の世界観を作り出しています。

山田硝子 江戸切子

若者へ、世界へ、江戸切子を使う暮らしを

現在、山田硝子の中心を担っているのは三代目の真照氏です。先代の輝雄氏は、「日本のガラス展」の大賞をはじめ、数々の賞を受賞した名工。輝雄氏の後を継ぐ真照氏も、高い技術で新たな江戸切子の表現を探求してきました。その成果が認められ、2017年にはトヨタ自動車が行っている「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT」に、51人の匠の一人として選出されました。

山田硝子 三代目

「江戸切子を日常の暮らしの中に取り入れることで、日々の暮らしを少しだけ華やかに、楽しいものにしたい」と真照氏は語る。だからこそ、芸術作品ではなく、華やかな輝きを持った実用品を作り続けているのです。職人たちの想いは、一つひとつの切子に刻まれています。そこに、値段を超えた価値を感じる人も多く、海外の方へのプレゼントとして、また、お祝いの記念品として購入される方も少なくありません。

日本工芸堂 代表・松澤
Buyer's Voice

代表・松澤より

数ある江戸切子のなかで、心を惹かれた美しさ

日本工芸堂の創業を考え始めた頃、江戸切子の魅力を自分の目で確かめたくて、都内の組合展示会や百貨店、小売店など、さまざまな場所に足を運びました。

数多くの作品を見るなかで、とりわけ心を惹かれたのが山田硝子の江戸切子です。

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細い線を刻んだ菊繋ぎ文や八角籠目文に小さな水玉を組み合わせたもの、複数の色ガラス層からなる「色被せガラス」の特徴を生かしたものなど、伝統的な技法を用いながらも、既成概念にとらわれないデザインが印象的でした。

とりわけ、細い直線と力強く滑らかな曲線が絶妙に組み合わされたグラス。そのうねる曲線から感じる色気や、玉繋ぎ文の繊細さに、どのような方がこの作品を生み出したのだろうと、強い興味を抱きました。

ちょうどその頃、東京都中小企業振興公社のご担当者から、三代目の山田真照さんをご紹介いただく機会がありました。

初めてお会いしたとき、作品の華やかさとは対照的な、静かで飾らない山田さんの雰囲気に驚いたことを覚えています。さらに、デザインからカットまでご自身で手がけていると知り、その技術と感性にますます惹かれました。

以来、工房を訪ねるだけでなく、中国・上海や杭州をはじめ、アジア各地の展示会にもご一緒してきました。海外のお客様に江戸切子の魅力を伝える現場をともにしながら、山田さんのものづくりへの想いに触れる機会を重ねてきました。

「若い世代へ、そして世界へ、江戸切子を使う暮らしを広めたい」。その想いのもと、他分野の職人や酒蔵とのコラボレーションなど、新しい挑戦を続ける山田硝子。

作品の美しさに心を動かされたことから始まったご縁を大切に、これからも山田硝子の江戸切子を、多くの方にご紹介していきたいと思います。

山田硝子 工房
工房訪問時の動画(2分14秒)