ホリエ
1055℃の窯から生まれるチタンの美と機能性
チタンは、今や私たちの暮らしに身近な金属になったのではないでしょうか。建築物だけでなく、アクセサリーやマグカップ、アウトドア用品など、さまざまな製品にチタンが使われています。かつて、軍用機に使われていたチタンを、暮らしに役立つ商品に使えるよう、技術開発したのがホリエ。拠点があるのは新潟の燕三条です。古くから銅器や刃物の製造で知られる金属の町。
チタンは軽くて丈夫でサビないという特性がありますが、それ以上に加工が難しいという特徴もあります。そのため、多くの企業が日常生活に役立つチタン製品の開発を試みましたが、なかなかうまくいきませんでした。
そんな中、ホリエが加工に成功したのがチタン製のマグカップでした。このマグカップが、現在では多くの人に知られるチタン製アウトドア製品づくりの始まりとなったのです。しかし、このマグカップの開発には約1トンのチタンが使用されたそうです。それでも諦めることなく挑戦を続けた結果、多くのチタン製品が生み出されることにつながったのです。

食材の美味しさを損なわない、
新しい「和」の器
チタンの良さは、軽くて強くてサビないという点だけではありません。生体親和性が高く、金属アレルギーになりにくいという特徴もあります。さらに、金属臭がせず、無味・無臭であるため、食材の美味しさを損なわない器になります。
そんなチタンの魅力に惚れ込んだホリエは、アイスクリームスプーンやマグカップ、タンブラーなど次々に開発しました。特に、ビアカップはクリーミーな泡と高い保冷力を目指して、新たな製法にこだわった人気商品です。
デザインにはこだわり点として、チタンならではの金属色ながら、日本に古くから伝わる色合いを感じさせるものも多くあります。そこには「和」を意識した、日本企業の心意気も感じられます。次に、どんなチタンの魅力を見せてくれるのか、日本が誇るモノづくりから目が離せません。
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Buyer’s Voice 代表・松澤斉之より
日本のモノづくりの原点がここにあった
チタン製品は、正直なところ、私たちが扱う「伝統工芸品」とは少し異なるかもしれません。しかし、なぜ日本工芸堂でホリエの商品を扱うことに決めたのかと言うと、チタンに真摯に向き合い、その素材の特性を活かして日常生活を豊かにしようというものづくりの迫力を感じたからです。
チタンは軽くて丈夫でサビない特性がありますが、加工が非常に難しい素材です。そのため、多くの企業がチタン製品の開発に挑戦しましたが、成功には至らなかったそうです。そんな中、ホリエ氏は熱心な研究開発を通じてチタン製マグカップの加工に成功し、先駆けとなりました。
ホリエの商品には、金属の町・燕三条で受け継がれた技術を基に、新しい技術の開発に挑戦し続ける職人の精神が込められています。このような取り組みが、今後新しい伝統工芸を生み出す力になるのかもしれません。