シーブレーン
ものづくりの心を世界に伝える
ハンドメイド時計のメーカー
日本の時計作りの技術力は世界に知られるところです。ですが、その技術力だけでなく、日本の伝統美にもこだわったハンドメイドの時計づくりで知られるのが、石川県に工房を持つ「C-Brain」です。
もともと、中学校の技術家庭科の教材を手掛ける会社を営んでいた井波社長。企画した教材を使った子どもたちが、できあがった作品を大切に使う姿を見て、ものづくりの楽しさやすばらしさをもっと広めたいと決意したと言います。そこで飛び込んだのが、ハンドメイド時計の世界でした。
作られるのは、個性が感じられながら、こだわりすぎない時計。使っていて目にとまるのに主張しすぎない、一歩控えるたたずまいが人気を呼び、アフタヌーンティーの創業25周年の記念品に選定されるまでになりました。
美しさを追求してたどり着いた
日本の伝統美
創業からしばらく、雑貨店で販売されていた「C-Brain」の時計。顧客のニーズにあわせ、生活防水などの機能性も高めていきました。それに伴い単価がアップ。新たな販売ルートと新しい特徴を模索します。
そこで着目したのが「日本の色、日本の美意識」でした。美しい黒を表現するための漆。飛鳥時代に伝わり、今も日本画に使われている岩絵具。日本の伝統美を追求する中で生まれた文字盤は、落ち着いた色合いながら、華やかな輝きをまとい、日本だけでなく世界の人々を魅了するまでになりました。
今では、さまざまな伝統工芸を活かしたオリジナルの時計を次々に発表。重ねの色目をイメージしたものや裏箔などの日本画の技法を使ったもの、螺鈿の技法で文字盤に貝素材を貼り込んだもの、金属加工で知られる高岡の鋳物メーカーとのコラボなど「時間を見る」にとどまらない、時計の楽しさを表現しています。
Buyer's Voice 代表・松澤斉之より
かわいらしさの中にある
歴史と技術に目を奪われた
こないろシリーズの時計を初めて見たのは、福岡の雑貨店だった。ころんとしたシルエット。木目が美しいフレーム。まん丸の木枠の時計は珍しい。すぐに山中漆器のフレームだとわかった。お椀を削る技術がこんなふうに生かされていることがうれしいなと思った。さらに、文字盤を見るとキラキラと輝いている。岩絵具の歴史や製法を知るとより強く心を引かれたが、そんな知識がなくても、「いい」と思わせる魅力があった。
私も友人のこの時計を贈ってみた。性格や着ている服の色、好きな色、石の意味などいろいろな要素があり、選ぶ時間も楽しかった。贈る方にも贈られる人にも楽しさを感じさせてくれる。そんな素敵なギフトだ。