有田焼

佐賀

有田焼とは？

有田焼（ありたやき）は、日本で最初に誕生した磁器として知られています。17世紀初頭、佐賀県有田町の泉山で磁器の原料となる陶石が発見されたことをきっかけに始まり、400年以上にわたり受け継がれてきました。透き通るような白い素地に、繊細で色彩豊かな絵付けが施されるのが特徴です。

江戸時代にはヨーロッパへも輸出され、「IMARI」として広く愛されました。現在も伝統的な技を守りながら、現代の暮らしに寄り添う新しいデザインが次々と生まれています。

有田焼の歴史と技術

日本の磁器づくりは、有田焼から始まったといわれています。17世紀初頭、朝鮮陶工・李参平（イ・サンピョン）が泉山で陶石を発見したことをきっかけに、磁器生産が始まりました。有田焼は透き通るような白磁の美しさと、高度な絵付け技術を兼ね備えた焼き物として発展していきます。

江戸時代には「古伊万里」「柿右衛門」「鍋島」という三つの代表的な様式が確立しました。初期の古伊万里は藍一色の素朴な表現から始まり、のちに赤や金を使った豪華な「金襴手」へと進化します。

柿右衛門様式は、酒井田柿右衛門によって生み出された乳白色の素地「濁手（にごしで）」に、赤・青・緑・黄の絵具で草花や鳥などを描く上品な絵付けが特徴です。鍋島様式は佐賀藩直営の御用窯で製作され、将軍家や宮中への献上品として高い完成度を誇りました。

17世紀中頃には、オランダ東インド会社を通じてヨーロッパへ大量に輸出され、「IMARI」として王侯貴族の間で人気を博します。特に柿右衛門様式の「余白の美」は西洋の美意識にも影響を与え、ドイツ・マイセン磁器などにも模倣作品が生まれました。明治時代には万国博覧会への出品を通じて、再び世界的な評価を得ます。

現代の有田焼は、伝統技術を受け継ぎながらも、若手作家やデザイナーとのコラボレーションによって新しい表現を追求しています。ARITA 400projectなどの取り組みでは、磁器製のコーヒーフィルターや茶筒、照明など、日常に寄り添う新しいかたちが生まれています。 

時代を越えて進化し続ける有田焼は、「伝統」と「革新」の両輪で、今もなお世界中の人々を魅了し続けています。

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