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記事: 曲げわっぱの弁当箱、無塗装・漆・ウレタンの違い

曲げわっぱの弁当箱、無塗装・漆・ウレタンの違い
#工芸を知る

曲げわっぱの弁当箱、無塗装・漆・ウレタンの違い

曲げわっぱの弁当箱を選ぶとき、迷いやすいのが「無塗装」「漆塗り」「ウレタン塗装」の違いです。見た目だけでなく、お手入れのしやすさや油汚れへの対応、価格などにも違いがあります。

木そのものの風合いを楽しみたいのか、長く使える仕上げを選びたいのか、まずは気軽に使ってみたいのか。この記事では3種類の特徴を比較しながら、自分に合った曲げわっぱの選び方をご紹介します。

先に選び方の目安をまとめると

木そのものの風合いを楽しみたい → 無塗装
塗りの美しさと長く使う楽しみ → 漆塗り
お手入れのしやすさを重視 → ウレタン塗装

▶ 3種類の違いを比較する

機能性が高く美しい曲げわっぱのお弁当箱

曲げわっぱは、木を薄く加工して曲げ、継ぎ合わせてつくられる木製の器です。お弁当箱として親しまれているほか、おひつや器などにも用いられてきました。

現在では、木目の美しさや軽さだけでなく、天然素材ならではの質感や、日々使う道具としての佇まいも魅力として改めて注目されています。


天然木で作られる曲げわっぱ

曲げわっぱには、スギやヒノキ、サワラ、ヒバなど、さまざまな木材が使われます。薄く加工した木を曲げ、サクラの皮などで留めて形をつくります。

代表的なもののひとつが、秋田杉を使った「大館曲げわっぱ」です。地域によって使われる木やつくり方に違いがあり、それぞれの土地の素材と技術が受け継がれています。

曲げわっぱの特徴

曲げわっぱは、木製ならではの見た目と軽さが魅力です。また、仕上げ方によって使い心地やお手入れ方法も変わります。

○お弁当が美味しそうに見える

木目を背景にごはんやおかずを詰めると、普段のお弁当も自然で落ち着いた印象になります。木の色は様々な食材と合わせやすく、彩りも引き立ちます。

○時間が経ってもごはんが美味しい

特に白木など木の性質を活かした曲げわっぱは、ごはんから出る余分な水分を適度に受け止めるため、時間が経ったごはんがべたつきにくいのが特徴。

○腐りにくい

スギやヒノキなどの天然木には、抗菌性を持つ成分が含まれているとされます。ただし、曲げわっぱだから衛生管理が不要というわけではありません。食品は十分に冷ましてからふたを閉め、使用後は早めに洗ってしっかり乾燥させることが大切です。

○軽くて丈夫

薄い木を曲げてつくられているため、木製でありながら比較的軽く、日々持ち運ぶお弁当箱にも向いています。落下や強い衝撃、長時間の浸け置きなどは避け、丁寧に使うことで長く付き合うことができます。

お手入れが難しい?

曲げわっぱを検討している方からよく聞かれるのが、「お手入れが大変そう」という声です。

食器洗い乾燥機や電子レンジには基本的に向きませんが、日常のお手入れは「手洗いして、水分を拭き取り、よく乾燥させる」が基本です。

ただし、無塗装・漆塗り・ウレタン塗装では、洗剤の使い方や汚れへの強さなどが異なります。そこで次に、3種類の違いを比較してみましょう。

まずは、定番の曲げわっぱからご覧ください



3種類ある曲げわっぱの塗り加工

曲げわっぱを選ぶときに大きな判断材料になるのが、表面の仕上げです。無塗装、漆塗り、ウレタン塗装には、それぞれ違った特徴があります。

無塗装 漆塗り ウレタン
塗装
木の風合い ◎ ○ ○
油汚れ 注意 比較的
扱いやすい
扱いやすい
お手入れ やや手間 普通 比較的簡単
価格 中 高め 低〜中
向いている人 木を
楽しみたい
長く
使いたい
手軽さ
重視

迷ったときの目安
木そのものの質感を優先するなら「無塗装」、塗りの表情と長く使う楽しみなら「漆塗り」、毎日のお手入れのしやすさなら「ウレタン塗装」が選びやすいでしょう。

天然木の特徴を最大限に引き出す「無塗装」

無塗装の曲げわっぱは、木の表面に塗装を施さず、木目や香り、手触りをそのまま楽しめる仕上げです。曲げわっぱらしい素材感を重視する方に向いています。

一方で、水分や油分が染み込みやすいため、使用後は早めに洗い、十分に乾燥させることが大切です。

○メリット

  • 木目や木の質感をそのまま楽しめる
  • 木ならではの香りを感じられる
  • ごはんの余分な水分を受け止めやすい

○デメリット

  • 水分や油分が染み込みやすい
  • 乾燥が不十分だと黒ずみやカビの原因になりやすい
  • 洗剤の使用可否は商品・工房によって確認が必要

抗菌性を兼ね備える「漆塗り」

漆塗りの曲げわっぱは、木地に漆を施したものです。木目を活かす拭き漆や、漆器らしい色と艶を楽しめる仕上げなどがあります。

漆塗りの曲げわっぱ

無塗装に比べて汚れが染み込みにくく、漆ならではの表情も魅力です。価格は高くなる傾向がありますが、使いながら変化する艶や風合いを楽しみたい方に向いています。

○メリット

  • 漆ならではの艶や質感を楽しめる
  • 無塗装より汚れが染み込みにくい
  • 油を使ったおかずも比較的入れやすい
  • 長く使いながら風合いの変化を楽しめる

○デメリット

  • 無塗装やウレタン塗装と比べて価格が高い傾向がある
  • 硬いものや研磨剤で表面を傷つけないよう注意が必要
  • 使い始めに漆特有の匂いを感じる場合がある

使いやすく機能的な「ウレタン塗装」

ウレタン塗装は、木の表面を樹脂塗装で保護した仕上げです。木目を見せながら、汚れや油分が木地に直接染み込みにくくなるため、日常使いしやすいのが特徴です。

ウレタン塗装の曲げわっぱ

製品によって塗装方法や仕様は異なるため、使用方法やお手入れについては、それぞれの商品やメーカーの案内を確認しましょう。

○メリット

  • 木目を楽しみながら使える
  • 油汚れが染み込みにくい
  • 比較的お手入れしやすい
  • 初めて曲げわっぱを使う方にも取り入れやすい

○デメリット

  • 無塗装とは木の手触りや使い心地が異なる
  • 表面を強く傷つけると塗膜を傷めることがある
  • 木そのものの質感を最優先したい方には好みが分かれる

実際の曲げわっぱを見比べてみる





曲げわっぱのお手入れ方法

曲げわっぱのお手入れは、基本的に「手洗いする」「水分を拭き取る」「十分に乾かす」の3つです。ただし、表面の仕上げによって注意点が異なります。

無塗装:お手入れ次第で長く使える曲げわっぱ

無塗装は水分や油分を吸いやすいため、使い終わったらなるべく早く洗い、しっかり乾燥させることが重要です。

○手順

  • ごはんなどがこびりついている場合は、短時間ぬるま湯になじませる
  • やわらかいスポンジなどで洗う
  • よくすすぐ
  • 乾いた布で水分を拭き取る
  • 風通しのよい場所で十分に乾燥させる

○コツ

洗剤を使えるかどうかは商品や工房によって異なります。購入時のお手入れ説明を確認してください。長時間の浸け置きは避け、洗ったあとは特に角や接合部分までしっかり乾燥させます。

漆塗り:は洗剤OK! でもやさしく扱おう

漆塗りは、やわらかいスポンジと中性洗剤などでやさしく洗える商品が多く、白木より油汚れなどを落としやすいのが特徴です。

○手順

  • 汚れをぬるま湯になじませる
  • やわらかいスポンジでやさしく洗う
  • 十分にすすぐ
  • 乾いた布で水分を拭き取る
  • 自然乾燥させる

○コツ

たわしや研磨剤など、表面を傷つけるものは避けましょう。ほかの食器と強くぶつけることも避け、漆器と同じようにやさしく扱います。

ウレタン塗装:お手入れ簡単!初心者でも扱える

ウレタン塗装は汚れが木地に染み込みにくいため、3種類の中では比較的お手入れしやすい仕上げです。

○手順

  • やわらかいスポンジで手洗いする
  • 十分にすすぐ
  • 乾いた布で水分を拭き取る
  • しっかり乾燥させる

○コツ

ウレタン塗装でも長時間の浸け置きや食器洗い乾燥機は避けます。また、部分的に塗装されていない商品もあるため、商品の説明に沿って扱いましょう。

使い方やお手入れをもっと詳しく知りたい方へ
毎日の洗い方や乾かし方、黒ずみや臭いなどについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
▶ 長く使いたい、曲げわっぱの使い方とお手入れ


優先順位を考えて、ぴったりの曲げわっぱを選びましょう

無塗装、漆塗り、ウレタン塗装には、それぞれ違った魅力があります。

木の質感を最優先するなら無塗装。
塗りの美しさや長く使う楽しみを求めるなら漆塗り。
毎日の扱いやすさを優先するならウレタン塗装。

どれが一番優れているということではなく、何を優先するかによって選ぶものが変わります。生活スタイルや使い方に合わせて、自分に合う曲げわっぱを選んでみてください。

まだ迷っている方へ
サイズや用途も含めて曲げわっぱ全体の選び方を知りたい方は、こちらをご覧ください。
▶ 曲げわっぱの選び方完全ガイドを見る

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