横田屋窯(ゆくたやがま)
【やちむん 】
沖縄・読谷村の手仕事を守る登り窯の工房
横田屋窯は、沖縄県読谷村やちむんの里に佇む、手作りの登り窯を有する陶房です。窯主の知花實(ちばな みのる)氏は1954年、読谷村生まれ。大学卒業後、大嶺實清氏に師事し、読谷山焼・北窯の松田米司氏、松田共司氏とともに大嶺工房で修行を重ねました。
2002年、家族の手で6年かけて築いた登り窯と工房を完成させ、横田屋窯を開窯。現在は二代目の知花清人(ちばな きよひと)氏とともに、沖縄の自然と向き合いながら作陶を続けています。
横田屋窯の特徴は、20年以上前に自ら築いた登り窯での焼成です。この登り窯は年に1回、2日間にわたり夜通し火を入れ、やちむんの器を焼き上げます。窯焚きは窯口から火を入れ、最初の袋に10時間ほど薪をくべて焼成。
その後、次の袋へと移り、4〜5時間かけて順に焼いていきます。全工程が終わると、窯は丸4日間密閉され、ゆっくりと冷却。5日目、半年分の成果と対面する瞬間が訪れます。
使用する釉薬は、ガジュマルの灰や鉱物のコバルトといった天然素材をもとに、工房で手作り。粘土は鉄分を多く含む沖縄特有の赤土を用い、白化粧土をかけることで、柔らかく温かみのある風合いを生み出しています。成形はすべて手仕事。ろくろで一つひとつ挽き、職人の手製の測定具で形の均整を保ちます。
沖縄の眩い陽射しと豊かな自然に育まれ、登り窯の炎と薪の香りが宿る横田屋窯のやちむん。効率やスピードを追う現代において、手間を惜しまず作られた器たちは、静かに暮らしに寄り添い、使うたびにぬくもりを伝えてくれます。
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