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カート

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伊賀焼

三重



伊賀焼は、経済産業大臣指定伝統的工芸品に認定されている三重県伊賀市のやきものです。その起源は奈良時代にまでさかのぼり、当初は農具や種壺などの素朴な器がつくられていました。

やがて伊勢神宮への献上品として記録され、安土桃山時代には茶の湯文化の広がりとともに全国に名を知られるようになります。当時の領主・筒井定次や藤堂高虎の庇護のもと、茶人・古田織部の指導を受けて「古伊賀」と呼ばれる茶陶が誕生しました。

花入や水指に表れる力強い造形と、炎や灰が生み出す偶然の景色は、“わび・さび”を体現する茶陶として高く評価されています。

伊賀焼最大の特徴は土にあります。約400万年前の古琵琶湖層で形成された陶土には多くの化石が含まれ、焼成の過程で燃え尽きることで無数の微細な孔が生まれます。この多孔質の性質により、耐火性・保温性に優れた器ができあがります。特に伊賀の土鍋は、じっくり熱を伝えて煮込み料理や炊飯を美味しく仕上げるとして広く親しまれています。

また、焼成時に炎や灰が作用して現れる「窯変」も伊賀焼の大きな魅力です。ビードロ釉や焦げの表情は偶然が織りなす景色であり、ひとつとして同じものはありません。その自然の力と職人の技の融合が、伊賀焼独自の力強さと温もりを形づくってきました。

江戸時代には「遠州伊賀」「再興伊賀」などの新しい展開を経て、天保年間には丸柱に「長谷園」が築窯。土鍋や行平鍋といった日用品がつくられるようになり、伊賀焼は暮らしを支える器として定着しました。

現在も、伝統的な茶陶から現代の食卓を彩る器まで、伊賀焼はその魅力を絶やすことなく受け継がれています。

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