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ふくべ鍛冶

能登半島で唯一の野鍛冶「ふくべ鍛冶」は、明治41年の創業以来、100年以上にわたり地域の暮らしを支える道具づくりと修理を続けてきました。野鍛冶とは、包丁や農具、漁具、山林刃物など幅広い生活道具をつくり、使い込まれたものを修理して再び活かす町の鍛冶屋のこと。鉄を熱し、赤らめ、叩きながら仕上げる本鍛造の技は、使う人に合わせた質実剛健な道具を生み出します。

「ふくべ鍛冶」の原点は、地域の困りごとを解決すること。すり減った鍬の刃を再生したり、刃物を研ぎ直したりと、年間数千件以上の修理を手がけています。奥能登の集落を巡る移動鍛冶では、高齢の方の手元まで直接赴き、道具を蘇らせることで「困った」を「良かった」に変えてきました。資源を大切に使うこの修理文化は、今の時代のSDGsの思想にも通じています。

初代が馬車で行商を始めた大正期から受け継がれる「出向いて道具を直す姿勢」は、現在もワゴンカーでの巡回や、全国から依頼を受ける研ぎサービス「ポチスパ」といった形で継承されています。

農業の機械化や大量生産の影響で全国から姿を消しつつある野鍛冶。しかし「ふくべ鍛冶」は、能登の風土に根差した手仕事で、道具をつくり、直し、次世代へと繋ぐ役割を担い続けています。暮らしに寄り添う本物の鍛冶屋の精神は、これからも地域とともに生き続けます。


Buyer’s Voice 代表・松澤斉之より

「ふくべ鍛冶」との出会いは、能登でご縁をいただいている輪島塗のお取引先様からの紹介でした。地元の工芸同士がつながり、信頼の輪の中で出会えたことが、最初の大きなきっかけです。

野鍛冶として、暮らしに寄り添う道具を一つひとつ手づくりし、使い込まれた後も研ぎや修理を受け止める姿勢。その営みには、道具と人との関係を長く大切にする文化が息づいています。能登の自然や四季の暮らしに根差した感覚が、商品一つひとつにしっかりと込められていることも魅力です。

また、行商や移動鍛冶を経て、いまは全国のお客様に修理や研ぎを届ける柔軟な取り組みも続けられています。伝統を守りながらも、現代の暮らしに合わせて工夫を重ねていく姿勢には、確かな未来への視点を感じます。

世代を超えて受け継がれてきた経験と技術から生まれる道具は、安心して日々の暮らしに取り入れることができます。そして何より、「使う人のそばにあり続ける」という考え方に共感し、私たちもお客様と一緒にその価値を分かち合いたいと思いました。

「ふくべ鍛冶」の品は、日常を少し豊かにしてくれる存在です。手に取ったときの確かさや、使い込むほどに深まる味わいを、多くの方に感じていただければうれしく思います。

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