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高岡銅器 鉄瓶 | 砂鉄 | 松竹梅文 | 般若鋳造所

 ¥275,000

時間とともに完成していく、一生モノの鉄瓶

砂鉄鉄瓶は、大量生産の道具ではありません。希少な素材、手間のかかる工程、そして熟練した職人の経験によって、一点一点が丁寧に生み出されています。

価格だけを見れば、高価に感じられるかもしれません。しかし、使い始めてから気づくのは、毎日の湯の味が変わり、音が変わり、手触りが少しずつ馴染んでいくという確かな変化です。その積み重ねは、「長く使うことでしか得られない価値」として、静かに暮らしに応えてくれます。

本作は、鉄瓶本体は研磨してツヤを出した上に薄く漆を塗り、鉄の質感を残して仕上げています。

丸みを帯びたオーソドックスな形状は、湯の対流がよく、火にかけた際も安定感のある佇まい。胴に施された松・竹・梅の文様は、長寿・節度・繁栄を象徴する吉祥柄で、日常使いの中にさりげない品格を添えます

実用の道具でありながら、茶の湯の世界で培われてきた合理性と美意識が息づいています。湯が沸くときに響く「コトコト」という澄んだ音色も、砂鉄鉄瓶ならでは。湯を待つ時間そのものが、心を整える静かなひとときへと変わります。

工法|惣型鋳造

本品は、日本で最も古い鋳造技法のひとつ「惣型鋳造(そうがたちゅうぞう)」によって制作されています。原型を用いず、土と粘土を調合した型を回転させながら、軸に沿って一挽きずつ形を起こしていく技法で、茶釜や梵鐘など、長く使われる器物に用いられてきました。

厚みや丸みを職人の感覚で微調整できるため、熱の回り方や耐久性に優れ、長年の使用に耐える形が生まれます。文様も鋳型に直接彫り込まれるため、器形と一体となった奥行きのある表情が特徴です。

素材|砂鉄が生む、緻密さと耐久性

この鉄瓶には、銑鉄・故銑に加え、非常に硬く不純物の少ない砂鉄(磁鉄鉱)を配合した鉄を使用しています。鉄の組織が細かく緻密になることで、錆びにくく、摩耗しにくく、熱をやわらかく伝える性質を備えています

本体は研磨で艶を出した後、鉄の質感を残すためごく薄く漆を施した仕上げ。使い込むほどに表情が深まり、「育てる道具」としての魅力が増していきます。

蓋にはブロンズを用い、銅器の伝統的な着色技法で落ち着いた色合いに仕上げています。

 

般若鋳造所

火と鉄を継ぐ、高岡の老舗

明治3年(1870年)に富山県高岡市で創業した老舗鋳物工房です。加賀前田家の時代に始まる高岡鋳物の流れを汲む工房として、茶道具や鉄瓶、銅器・鉄器などの美術鋳物を中心に、制作から修理まで一貫して手がけてきました。

伝統工芸士をはじめとする職人が在籍し、長年培われてきた鋳造技術と素材への深い理解を、現在のものづくりへとつないでいます。近年では、国内外の展覧会での発表や受賞に加え、スミソニアン博物館への作品収蔵などを通じて、その技法と表現が国際的にも評価されています。150年以上続く歩みの中で、高岡が育んできた鋳物文化を現代、そして世界へと伝える工房です。

商品詳細

生産地 富山県高岡市
素材 鋳鉄(鉄瓶本体)、ブロンズ(蓋)
サイズ 直径17×高さ23cm
容量 約1.6L
重さ 約1.5kg
箱形状 桐箱・外箱段ボール

 

使用上のご注意

  • 初めて使用する際は鉄瓶に水をはってお湯を沸かし、そのお湯を捨ててから使用を開始してください。使用後は熱いうちに鉄瓶のお湯をあけ、乾燥させてから湿気の少ない場所で保管してください。
  • 乾燥させる際、空焚きをしすぎると鉄瓶を痛める場合があるのでご注意ください。
  • 空焚きが不安な方はヘアドライヤーの温風をあてて乾燥させてください。
  • 銅蓋は柔らかい布で水気を拭いて保管してください。
高岡銅器 鉄瓶 | 砂鉄 | 松竹梅文 | 般若鋳造所
高岡銅器 鉄瓶 | 砂鉄 | 松竹梅文 | 般若鋳造所  ¥275,000