幸一光
【江戸節句人形】
江戸の人形づくりを、現代の暮らしへ
東京・足立区に工房を構える株式会社松崎人形は、1921年の創業以来、100年以上にわたり人形づくりの技を受け継いできた老舗工房です。三代目・松崎光正氏が「幸一光」を襲名し、国の伝統的工芸品である「江戸木目込人形」と「江戸節句人形」、二つの技術を礎にものづくりを続けています。
木目込人形は、桐の粉と糊を練り合わせた桐塑で形をつくり、表面に彫った溝へ布地を丁寧に挟み込んで仕上げる技法です。幸一光では、ひな人形や五月人形だけでなく、干支や動物をモチーフにした作品にも、その技を生かしています。
原型づくりから木目込み、彩色、組み立て、仕上げまで、多くの工程を職人の手で重ねます。動物作品は、体の丸みや立ち姿、耳や手足、目の表情まで細やかに作り込まれ、それぞれに異なる個性が生まれます。愛らしさのなかに落ち着きと品があり、伝統工芸ならではの端正な佇まいを感じさせます。
装飾に用いる裂地は、作品ごとの姿に合わせて色や文様を吟味。華やかさだけでなく、長く飾っても飽きのこない色彩と、現代の住空間になじむ洗練された仕上がりが特徴です。
伝統を守りながら、動物や昆虫など新たなモチーフへ表現を広げる幸一光。節句人形の枠を越え、季節の飾りや縁起物、暮らしを彩る工芸品として、木目込みの魅力を現代へ伝えています。
Buyer's Voice 代表・松澤より
松崎幸一光さんとの最初の出会いは、東京都雛人形工業協同組合の総会で、ECについてお話しする機会をいただいたときでした。その後も展示会などで何度かお会いし、なかでも強く印象に残っているのが、木目込みで表現された「犀」です。
伝統技術を新たなモチーフへと落とし込んだ意欲作であり、「新しい作品をつくるのは楽しい」と話されていた姿から、職人であると同時に、ものづくりを心から楽しむクリエイターなのだと感じました。
Animaシリーズは、木目込みによる布の質感と立体造形が響き合い、インテリアとして通年飾れる確かな存在感があります。動物をモチーフにしているため、特定の文化背景に依存せず、海外にも伝わりやすい点も魅力です。
出会いから時間を経て、ようやく日本工芸堂でもご紹介できる準備が整いました。人形づくりの技を、縁起物や現代の工芸として世界へ発信できる作品だと期待しています。多彩なモチーフを生み出す、今後の展開も楽しみです。
各種クレジットカードの他、銀行振込、コンビニ決済等もご利用可能
