KIKKI

山中塗の子ども食器──大人になっても使える漆のうつわ
「大人になっても使い続けられる離乳食の器をつくりたい」──そんな思いから生まれたのが、山中塗の子ども食器ブランド『KIKKI(きっき)』です。デザインを手がけるのは、金沢美術工芸大学を卒業後、柳工業デザイン研究所で研鑽を積んだプロダクトデザイナー・内藤真帆さん。母としての視点から、「子どもにも本物の素材を」という願いを形にしました。
制作の舞台は、石川県加賀市・山中温泉地区。ここは「木地の山中」と呼ばれ、木工旋盤の高い技術で知られる漆器の産地です。KIKKIの器は、軽くて丈夫な国産の栃の木を削り出し、職人が一つひとつ拭き漆で仕上げています。天然木ならではの木目の美しさと、手に伝わるぬくもりが特徴です。
「漆器は子どもにこそ使ってほしい」と内藤さんは語ります。木製の漆器は軽く、手触りがやさしく、器が熱くなりにくい─そんな安心感が、子どもにも親にも心地よく寄り添います。食品が触れる部分にも化学塗料を使わず、“木と漆”という自然素材だけで作られているため、出産祝いや離乳食期のギフトとしても人気です。
お粥をすくいやすいボウル、安定して持てるマグなど、子どもが自分で食べる姿を想定した細部設計も魅力。カラーは「ウルシ」「ナチュラル」「ときはピンク」の3色展開で、特に“ときはピンク”は日本の伝統色・鴇羽色を漆で表現したオリジナルカラーです。
山中の職人技と母の感性が出会って生まれた『KIKKI』は、子どもの成長とともに味わいを深め、家族の記憶をやさしく刻む“木のうつわ”です。

Buyer's Voice 代表・松澤斉之より
当社では出産や育児を迎えるスタッフが増えており、「伝統工芸品の中から、お祝いの席にふさわしい器を贈りたい」という声が多く聞かれます。そんな折に出会ったのがKIKKIでした。
子育て中のデザイナーが自身の経験をもとに、「離乳食期から大人になっても使える器をつくりたい」という想いを形にしていると知り、その誠実な姿勢に強く共感しました。親としての実感がそのまま設計に生かされている点に、大きな安心感と信頼を感じ、取り扱い開始にいたりました。
職人による丁寧な手仕事と、使うほどに深まる木の表情も魅力です。ギフトとしての完成度が高く、「長く使い続けられる器」という設計意図にも、贈る側・受け取る側の双方が納得できる価値があります。離乳食から始まる新しい日々を祝う贈り物として、おすすめできる一品です。
