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カート

カートが空です

haku硝子

江戸切子

大胆さと繊細さが光る現代の江戸切子

haku硝子の三田村義広さんが職人の道に入ったのは、大学卒業後のことです。ある日、江戸切子の作品を目にして感激し、「自分も江戸切子の職人になりたい」と強く思ったのが始まりでした。

その情熱に突き動かされ、三田村さんはその作品をつくった職人の工房を訪ね、何度も足を運ぶうちに弟子入りを許されたといいます。

師匠のもとで一から切子のカット技術を学び、仕事の合間には大量に買い集めた安価なグラスで練習を重ねました。少しずつ、しかし確実に、技は磨かれていったのです。

試行錯誤の中で生み出された、オリジナルの紋様

そして、弟子入りから8年後、三田村さんは独立の道を選びました。

「がんばっても、好きなだけでは食べていけないという焦りもありました。正直、辞めてしまおうと思ったこともあります。でも、たとえ失敗しても、何もせずに辞めるよりは後悔が少ないと思ったんです」と振り返ります。

独立して最初に感じたのは、すべてを自分ひとりで進めることの難しさだったといいます。どんな生地(カット前のグラス)を仕入れるか、どんなデザインにするのか、理想の線を出すためにどのようにカットするのか──。その一つひとつの工程に、自分の「顔」が見えなければならないと感じたそうです。

江戸切子には伝統的な紋様がありますが、「誰が作っても同じ」では意味がないと三田村さんは考えました。同じ模様を刻むにしても、どうすれば自分らしさを表現できるのか。

試行錯誤を重ねる中で、やがて現在のhaku硝子の特徴でもある、太い線と繊細な紋様が共存する独自のデザインが生まれていったのです。


作品ではなく、暮らしの中で息づくデザインを

haku硝子が大切にしているのは、現代の暮らしに自然に溶け込むデザインです。
江戸切子は飾って眺めるものではなく、日常の中で使ってこそ価値がある──三田村さんはそう考えています。

さらに、「haku硝子の商品がほしい」と言われるよりも、実際に自分がカットした江戸切子を見た人に「これがほしい」と思ってもらえることを目指しています。それこそが、長く愛用してくれるお客様との出会いにつながると信じているからです。

「自分が好きだと思ってデザインし、カットしたものを見て『これが好き』『これが欲しい』と言ってもらえるときが一番うれしいんです」と三田村さんは語ります。

その言葉の奥には、情熱を絶やさず努力と工夫を積み重ねてきた年月への自信と、さらに良いものを追い求める向上心がにじみます。伝統の美を受け継ぎながらも、唯一無二の存在感を放つhaku硝子。

思わず手に取りたくなる、新しい江戸切子のかたちが、そこにあります。

 

Buyer's Voice  代表・松澤斉之より

「使ってみたい」と思わせる、新しい江戸切子

「何かを成し遂げたいと思うなら、まずは一歩を踏み出し、挑戦してみなければならない。そして、その姿勢があるからこそ、周囲の人も手を差し伸べたくなるのだと。

世襲が多い職人の世界で、「食べていけないかもしれないけれど、勝負してみよう」と独立を決意した三田村さん。
彼の作品に刻まれた力強い線を見ていると、それがまさに「旅に出たからこそ生まれたもの」だと感じます。

数えきれないほどの苦労があったはずですが、それを感じさせない穏やかな語り口で、これからの展望と自身の作品について話す三田村さんの姿は、どこか無骨で、そして凛としたかっこよさがあります。

その姿勢から生まれた、江戸切子らしからぬ深く力強い線と、「菊つなぎ紋」などの繊細な紋様が組み合わさったグラスには、三田村さんの人柄そのものが映し出されています。

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