会津塗
福島
会津塗は、福島県の会津地方で江戸時代から伝わる伝統技法で作られる漆器です。会津地方の特有な湿潤な気候が漆の扱いに適しており、会津塗の特徴は縁起のいい意匠と多彩な加飾の美しさです。装飾は浅く細い溝を掘るため、柔らかな表情を持っています。
会津塗の歴史は室町時代に始まり、会津藩の藩主が漆の木の植林を奨励し、漆器産業が発展しました。安土桃山時代には蒲生氏郷によって産業としての基礎が築かれ、江戸時代には会津徳川家の保護の下でさらに発展しました。戊辰戦争の影響で一時的な衰退を経験しましたが、明治時代に復興を果たしました。
現在は経済産業大臣指定の伝統工芸品であり、会津若松市の指定無形文化財として保護されています。会津塗は酒器やカトラリー、アクセサリーなど多様な製品が作られ、消費者のニーズに合わせたモノづくりが行われています。
会津塗の魅力は塗りの表面の美しさと蒔絵などの多彩な加飾です。会津塗は水が染み込みにくく、お湯や酸、アルカリにも強く丈夫です。特に花塗りと金虫喰塗りは有名で、職人の高度な技術が光ります。ただし、塗りは難しい技術を要するため、職人の熟練が必要です。
会津塗は歴史を持ち、技術の高さや美しさが魅力です。伝統を受け継ぎながらも、現代のニーズに合わせた製品が生み出されており、今後も会津塗の挑戦が期待されています。会津地方は越後山脈や奥羽山脈などの山脈に囲まれており、湿潤な気候が漆を扱う環境として適していました。会津塗は縁起のいい意匠や多彩な加飾の美しさが特徴で、浅く細い溝を掘ることによって柔らかな表情を持っています。
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歴史から紐解く会津塗の特徴と魅力とは。技術が光る作り方をご紹介
動画:会津塗 Aizu-nuri - 漆と暮らす、会津漆器協同組合(許可いただき掲載)