桐生織
群馬
群馬県桐生市は、渡良瀬川と桐生川に挟まれた豊かな自然に恵まれ、古くから織物文化を育んできました。その起源は約1200年前の「白瀧姫伝説」にさかのぼり、姫が村人に養蚕や機織の技を伝えたことが始まりとされています。
奈良時代には朝廷への献上品として記録が残り、江戸時代には高品質な生糸と分業体制を背景に、桐生は全国有数の織物産地へと発展しました。関ヶ原合戦では徳川家康の旗布に桐生絹が用いられた逸話も伝わっています。
明治から昭和にかけてはジャカード機やドビー機の導入により、複雑な紋様を織り出す技術が飛躍的に進展。戦時中の停滞を乗り越え、織機復元計画によって早期に生産を再開し、輸出織物が戦後復興を支えました。
とりわけ1977年には、「お召織」「緯錦織」「経錦織」「風通織」「浮経織」「経絣紋織」「綟織」という7種の技法が、経済産業省により「桐生織」として伝統的工芸品に指定され、その高度な技術と歴史的価値が公式に認められています。
今日の桐生織物は、和装だけにとどまらず、洋服地やインテリア、さらには輸出向けのテキスタイルまで幅広く展開。天然繊維から化学繊維まで多彩な素材を活かし、千年を超える伝統に現代の感性と技術を重ね合わせています。
産地全体を指す「桐生織物」と、伝統的工芸品に指定された「桐生織」が織りなすものづくりは、長い歴史を背景に進化し続け、日本を代表するテキスタイルとして今も世界へその魅力を発信しています。
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