江戸扇子
【東京】
江戸扇子は、江戸時代に粋な江戸っ子が御守り代わりに身に着けていた扇子であり、縁起物としての意味合いがありました。男女を問わず身に着ける習慣があり、勝負事や試験、商談、贈り物などにも使用されました。
江戸扇子は一人の職人によってすべての工程が行われ、扇面の柄や色、地紙素材、扇骨、組み付けなど、どの工程も重要です。また、開いた姿だけでなく閉じた姿も美しさを持っています。
制作過程では、絵付けと骨作りを除き、一人の職人が30の工程を一貫して行います。江戸扇子は日本の材料を使用し、日本国内で組み立てられる純国産の工芸品です。
<江戸扇子は男持ちと女持ちの2種類>
男持ちは長さが七寸五分(約23センチ)であり、女持ちは長さが六寸五分(約20センチ)です。ただし、性別による制約はなく、男性が女持ちを使用したり、女性が男持ちを使用したりすることもあります。男持ちはスーツのポケットに収納しやすく、女持ちは風量の多い扇子を好む場合におすすめされます。