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モメンタムファクトリー・Orii

高岡銅器

金属素材に新たな表情をつくりだす
Oriiの着色伝統技

富山県高岡市は、400年の鋳造技術の伝統を誇る町です。この地に根ざすモメンタムファクトリー・Oriiは、昭和25年の創業以来、金属着色の技術を受け継ぎ、さまざまな金属素材に新たな表情を与えてきました。仏像や梵鐘、茶道具、美術工芸品など、数多くの鋳造品に着色を施してきたOriiは、長年培われた技術を大切にしつつ、さらなる発展を遂げています。

Oriiの着色技術は、塗装ではなく、銅や真鍮といった金属が持つ腐食性を活かし、薬品や炎で鮮やかな色彩を引き出す伝統技法です。この技法により、金属に独特の風合いと発色が生まれ、伝統的な鋳造品だけでなく、1mm以下の薄い銅板にも美しさを実現しました。Oriiの製品は、歴史に根ざした技術と現代の生活空間に調和するデザイン性を持つものとなっています。


特に三つの着色技法、「煮色」、「糠焼き」、「鉄漿(オハグロ)」は、それぞれが独特の美しさを持ち、職人たちによって大切に受け継がれています。彼らは、伝統を尊重しながらも、常に新たな可能性を追求し、時代を超えた美しさを持つ製品を生み出すことを目指しています。


Buyer’s Voice 代表・松澤斉之より

富山県高岡市は、高岡銅器をはじめとする日本のものづくりの拠点の一つです。その地で革新的な取り組みを続けているのが、有限会社モメンタムファクトリー・Oriiです。代表の折井宏司さんは、着色技術を極める工芸士であり、新しい価値を創造する挑戦を続けています。

初めて折井さんにお会いした際、ものづくりへの深い探究心と情熱に強い印象を受けました。工房を案内していただき、着色作業の一部を実際に体験させていただいたことは、とても貴重な機会でした。その過程を通じて、受け継がれた技術を礎にしつつ、新たな表現を切り開く姿勢を間近で感じることができました。

折井さん開発の「斑紋孔雀色」は、銅100%の圧延板材に独自の技法を用いて偶然生まれた色です。青や赤が複雑に入り混じったその色合いは、まるで孔雀の羽のような美しさです。同じく米糠を用いた伝統的な技法でつくり出される「Oriiブルー」は、深みと鮮やかさを兼ね備えた印象的な色彩です。この色は一度目にしたら忘れられない魅力があり、他産地の製品とのコラボレーションが産まれるなど新しい可能性を広げています。

高岡銅器の歴史を背景に、独自の発想で新たな道を切り開くモメンタムファクトリー・Orii。折井さんの確かな技術と挑戦の姿勢が、多くの人を惹きつけています。このブランドが生み出す価値を、ぜひ多くの方に知っていただきたいと思います。

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