森銀器製作所


森銀器製作所

銀のぬくもりを日常に。暮らしに潤いをもたらす銀製品をつくる

銀を使う豊かな暮らしを提案する東京銀器の老舗メーカー

森銀器製作所は、昭和2年創業の東京銀器メーカー。創業者の森義之助氏が、銀座の名工、田島勝之氏に弟子入りし、鍛金師として独立したことに始まる。現在では、カトラリーや食器だけでなく、競技用のメダル、装飾品、宮内庁御用達品など、さまざまな銀製品を手がける、銀の総合メーカーとして知られている。

キャッチフレーズは「銀の爪楊枝から金のお風呂まで」。銀の爪楊枝は、森銀器の人気商品の1つ。金のお風呂は東京オリンピックが開催された昭和39年に、実際に製作して話題になった。製作される商品の幅の広さは、さまざまな金属製品を製作できる、多くの職人が揃っていることの表れでもある。

かつて、銀が身近に使われていた時代と異なり、現代は、銀の価格があがり、アクセサリーなどの装飾品として所持されていることが多いようだ。そんな時代にありながら、森銀器が目指すのは、暮らしの中で使われる銀器。「この15年で銀の価格は4倍にも高騰しています。でも、もう一度、銀製品を暮らしの中で使う楽しさを、みなさんに知ってもらいたい。

銀はハレの日だけのものではない。日常で、本物の銀の輝きを味わってもらうことで、暮らしは豊かになると思うんです」。そう語る森社長は「銀のある日常」を提案するために、新たなデザインや、今までになかった新しい商品開発に挑み続けている。

付け足しも、やり直しも効かないひと打ちごとの真剣勝負

銀製品は、銀ののべ板を鉄床(かなとこ)にあて、金槌で細かく打つことで形を作っていく。職人の叩き方次第で、平らな板は、みるみるやわらかな曲線を描き、輝く銀器へと生まれ変わる。

途中で材料を足したり、取り除いたりすることができない鍛金は、叩く強さや場所で厚みや形をミリ単位で調整して、思う形に整える、非常に高い技術が求められる。一度、金槌を振り下ろせば、そこには槌の跡ができる。その跡は、形を整えるだけでなく、表面の飾りにもなり、銀の表面を美しく装飾する。それ故に、鍛金に「失敗」は許されない。金槌を振り下ろした瞬間。ひと打ちひと打ちが、銀器の形、厚み、美しさを決定づける。職人は、銀と対峙し、常に真剣勝負を挑まれているのだ。

森銀器の職人は、1秒で2~3回ほど、金槌を振り下ろし、ぐい呑を作っていく。ひとつのぐい呑を作るのにかかる時間は約2時間。つまり、職人は、2万回あまり金槌を振り下ろすことで、手にしっくりと馴染む丸みを帯びたぐい呑を、丁寧に形づくっていくことになる。職人の魂を2万回打ち込まれる銀器。マットな輝きを放つ銀の酒器を見ていると、その輝きの秘密は、単に磨かれたから、というわけではない、という気持ちにもなってくる。おいしいお酒のお供に、銀器に込められた職人たちの思いも、ぜひ、添えてみたい。

(BUYER’S VOICE):

銀製品への「愛」をもって、日本の伝統工芸を世界へ

森銀器を尋ねたのは、寒い冬の日。森社長は、自社で手がけるさまざまな銀製品について、1つひとつ丁寧に教えていただいた。その言葉に感じられたのは「銀製品への愛」とも言える、思い。銀のもつ特性や魅力を、多くの人に知ってもらいたいという気持ちが伝わってきた。

これから取り組もうとしている、さまざまなアイデアについても語ってくれた。銀製品づくりの老舗でありながら、新しいことに常に取り組もうとする姿勢には、感動すら覚える。特に、漆器や陶器など、他の伝統工芸品とのコラボには積極的だ。

伝統的工芸品産業振興協会の理事でもあることから「日本の伝統工芸品を世界に打ち出したい」という思いも強い。そこで、海外で「ジャパン」と呼ばれている漆器とのコラボを考え、ここから世界へ日本の伝統工芸を発信しようと考えたそうだ。こんな方と一緒に世界へ、日本の伝統工芸、そして銀器への愛情を伝えていきたい。

森銀器製作所 商品一覧